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漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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牛膝

○牛膝(ごしつ) 日本の本州以南、中国に分布するヒユ科の多年草ヒナタイノコズチ(Achyranthes fauriei)の根を用いる。ヒナタイノコズチはイノコズチ(A.japonica)の近縁種で、路ばたや野原に普通にみられ、その根はイノコズチより大きい。 かつて日本で…

コンフリー

○コンフリー ヨーロッパ原産でヨーロッパからシベリア、中央アジアにかけて自生しているムラサキ科の多年草ヒレハリソウ(Symphytum officinale)の根や葉を用いる。 日本には観賞用として明治時代に輸入された。若い葉を食用にするが、コーサカス地方の長寿…

昆布

○昆布 コンブ科のマコンブ(Laminaria japonica Areschoug)やクロメ(Ecklonia kurome Okamura)、ワカメ(Undaria pinnatifida Suringar)の葉状体を用いる。北海道の沿岸でマコンブが生産されるが、日本では古くからヒロメとかエビスメと呼ばれて食用にさ…

コンズランゴ

○コンズランゴ 南米のペルー、コロンビア、エクアドルのアンデス山脈の自生するガガイモ科のつる性低木コンズランゴ(Marsdenia cundurango)の幹皮を用いる。現在では東部アフリカなどで栽培されている。元来、南米の原住民が昔から用いていた薬木で、ヨー…

コロンボ

○コロンボ アフリカ東岸のモザンビーク地方やマダガスカル島の森林地帯に自生するツヅラフジ科のつる性本木コロンボ(Jateorhiza columba)の塊茎を用いる。現在、アフリカやインドなどで栽培されている。アフリカではコロンボの根を赤痢の薬として用いてい…

胡芦巴

○胡芦巴(ころは) 南西アジア原産のマメ科の一年草コロハ(Trigonella foenum-graecum)の種子を用いる。胡芦巴(huluba)はアラビア語の本品名(hullba)に由来する。香料としてはフェヌグリーク(Fenugreek)と呼ばれ地中海地域やインドなどで栽培されて…

五霊脂

○五霊脂(ごれいし) 中国の各地に生息するムササビ科のムササビの一種、中国名で橙足鼯鼠(Trogopterus xanthipes)および飛鼠(Pteromys volans)などの乾燥した糞便を用いる。 かつて五霊脂はオオコウモリの糞と考えられていたこともある。鼯鼠は体長50…

五味子

○五味子(ごみし) 日本では本州の中部以北、北海道、朝鮮半島、中国大陸などに分布するマツブサ科のつる性落葉低木チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の果実を用いる。 秋に深紅色をしたブドウ状の果実がなる。チョウセンゴミシという名は渡来植物の…

胡麻

○胡麻 アフリカ大陸が原産と推定され、世界各地で栽培されているゴマ科の一年草ゴマ(Sesamum indicum)の成熟種子、つまり食用にされるゴマの乾燥したものを用いる。紀元前1世紀に張騫によって西域(胡)から中国に伝えられたといわれ、現在では中国が世界…

牛蒡子

○牛蒡子(ごぼうし) ヨーロッパからシベリア、中国東北部にかけて分布するキク科の越年草ゴボウ(Arctium lappa)の種子を用いる。 日本にゴボウの野生種はないが、千数百年前に中国から渡来し、日本で改良されて作物化した。ゴボウの根は日本独特の野菜で…

牛皮消根

○牛皮消根(ごひしょうこん) 日本の各地、南千島などに分布するガガイモ科のつる性多年草イケマ(Cynanchum caudatum)の根を用いる。北海道や新潟の山野林中に産し、イケマとはアイヌ語の「大きな根」という意味で、アイヌの霊草として知られている。 有毒…

琥珀

○琥珀(こはく) 古代マツ科やスギ科植物の樹脂が長い期間、地中に埋没して凝結し、化石となったものを琥珀という。産地としてバルト海の沿岸地方が最も有名で、中国の撫順やドミニカ共和国、日本では岩手県の久慈地方がよく知られている。江戸時代には琥珀…

五倍子

○五倍子(ごばいこ) ウルシ科のヌルデの葉に寄生しているアブラムシ科のヌルデシロアブラムシ(ヌルデノミミフシ)などが樹木に作った虫癭(虫こぶ)を用いる。 このアブラムシは幼虫で越冬し、翌年の春に羽化してヌルデの木に産卵する。そこで雌雄の無翅雌…

胡桃仁

○胡桃仁(ことうにん) 西アジア原産のクルミ科の落葉高木ペルシャグルミ(Juglansregia)の種仁を用いる。種仁とはクルミの種子の子葉、つまり固い殻の中の可食部である。この未成熟果実の外果皮は胡桃青皮といい、また殻の中の薄い隔壁を分心木といって薬…

梧桐子

○梧桐子(ごとうし) 日本の紀伊半島、伊豆半島、四国、九州、台湾、中国、インドシナに分布するアオギリ科の落葉低木アオギリ(Firmiana simplex)の種子を用いる。青桐は街路樹や公園樹としても利用される。 種子は船状に開いた果皮の周辺に付着した直径が…

骨砕補

○骨砕補(こつさいほ) 中国の南部や台湾などに自生しているシダ植物ウラボシ科のハカマウラボシ(Drynaria fortunei)などの根茎を用いる。そのほかの基原植物にはウラボシ科の中華槲蕨(D.baronii)、石蓮姜槲蕨(D.propinqua)、光亮密網(Pseudodrynaria…

胡荽子

○胡荽子(こずいし) 地中海東部沿岸を原産とするセリ科の一~二年生コエンドロ(Coriandrum sativum)の果実を用いる。全草は生薬として芫荽と呼ばれる。現在、インドやロシア、モロッコ、東欧諸国、アメリカなどで栽培されている。 胡荽子は香辛料のコリア…

虎杖根

○虎杖根(こじょうこん) 日本各地、朝鮮半島、台湾、中国などに自生するタデ科の多年草イタドリ(polygonum cuspidatim)の根と根茎を用いる。地方によってはスカンポやスイバとも呼ばれているが、一般にスイバといえば別のタデ科の植物のことをいう。 春先…

呉茱萸

○呉茱萸(ごしゅゆ) 中国の長江流域、広東省、海南省、広西チワン族自治区、陝西省などに分布するミカン科の落葉低木ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)の成熟する少し前の未成熟果実を用いる。そのほかホンゴシュユ(E.officinalis)の果実なども利用される。 …

胡椒

○胡椒(こしょう) 南インド原産のコショウ科の常緑つる性植物コショウ(Piper nigrum)の果実を用いる。コショウはすでに紀元前4~5世のヨーロッパで有名なスパイスの一つで、防腐効果や食欲増進の効果が知られていた。中世ヨーロッパでは金と同じくらい…

コケモモ葉

○コケモモ葉(こけももよう) 本州、四国、九州では高山、北海道や北半球の寒帯・針葉樹林帯では低地に分布するツツジ科の常緑小低木コケモモ(Vaccinium vitis-idaea)の葉を用いる。中国では越橘葉という。 コケモモの果実は未熟なときは赤くて酸味が強い…

虎耳草

○虎耳草(こじそう) 本州以南、中国などに分布しているユキノシタ科の常緑多年草ユキノシタ(Saxifraaga stolonifera)の葉または全草を用いる。湿った所や岩場に生え、観賞用として庭先などにもよく栽培されている。一説に冬に雪の下にあっても葉が枯れな…

虎骨

○虎骨(ここつ) 大型哺乳度物であるネコ科のトラ(Panthera tigris)の骨を用いる。トラはアジアに広く分布しているが、中国東北地方にはシベリア虎とか満州虎と呼ばれている東北虎、華南地方には華南虎が生息している。 トラは体長約2m、全身は橙黄色で…

五穀虫

○五穀虫(ごこくちゅう) クロバエ科のオビキンバエ(Chrysomyia megacephala)などの幼虫を乾燥したものを用いる。オビキンバエは中国をはじめ東洋では普通にみられるハエで、腐肉や人糞、獣糞に集まって産卵する。本草綱目では蛆とある。かつて日本ではハ…

蜈蚣

○蜈蚣(ごこう) 中国や日本の全土に分布する節足動物、オオムカデ科のトビズムカデ(Scolopendra subspinipes mutilans)などのムカデを乾燥した全虫を用いる。主産地は浙江・湖北・湖南省などであり、江蘇省のものは脚が赤く良品であるため、蘇浙江省とい…

黒大豆

○黒大豆 中国原産で世界各地で栽培されているマメ科の一年草ダイズ(Glycine max)の栽培品種であるクロマメの種子を用いる。普通、ダイズといえば黄大豆のことであるが、薬用には黒大豆が珍重されている。またクロマメの黒い種皮は黒大豆皮あるいは黒豆衣、…

穀精草

○穀精草(こくせいそう) 本州以西、台湾、中国などに分布するホシクサ科の一年草オオホシクサ(Eriocaulon buergerianum)の花序をつけた花茎を用いる。湿地や水田に自生し、穀物を刈り取った後に生えることから穀精草といわれ、茎の先に小さな白い花が咲く…

穀芽

○穀芽(こくが) イネ科のイネ(Oryza sativa)のもみをつけたままの種子を発芽させたものを穀芽という。イネの茎と葉は稲草、うるち米は粳米、もち米は糯米、もち米の根と根茎は糯稲根鬚と呼ばれ、役用にされている。これに対して発芽したオオムギを麦芽と…

コカ葉

○コカ葉(こかよう) 南米ペルーやボリビアのアンデス地方を原産とするコカノキ科の常緑低木コカノキ(Erythroxylum coca)の葉を用いる。現在、南米以外でもインドネシアのジャワ島で栽培されている。 アンデスのインディオたちは紀元前からコカ(Coca)の…

五加皮

○五加皮(ごかひ) 中国の華中、華南、西南に産するウコギ科の落葉低木ウコギ(Acanthopanax gracilistylus)の根皮を用いる。ウコギとは五加皮の中国音によるものである。ウコギは日本各地の山野でも野生化しており、山村では垣根などに植栽されている。中…

胡黄連

○胡黄連(こおうれん) インドやチベットなどヒマラヤ地方の高山地帯に分布するゴマノハグサ科の多年草コオレン(Picrorrhiza kurrooa)の根茎を用いる。そのほか同属植物の西蔵胡黄連(P.scophulariaeflora)なども利用される。薬用としては地上部が枯れた…

牛黄

○牛黄(ごおう) ウシ科の動物ウシ又はスイギュウの胆嚢や胆管の中にできた結石を用いる。ウシは新石器時代にはシリア・エジプトなどですでに家畜化されていた。日本でも古代から役用、食用に用いられた記録があるが、仏教の伝来とともに殺生が禁じられ食べ…

香料

○香料 一般に芳香があり生活に役立つ物質を香料という。時代や習慣などにより、その定義は明らかではない。香料のことを英語でパフュームというが、この語源は「薫ずる」という意味で、古くは宗教儀式の際に樹木を火で焚いたのが香料の起源と考えられている。…

藁本

○藁本(こうほん) 中国中南部に分布するセリ科の多年草コウホン(Ligusticum sinense)や中国北部に分布する同属植物のムレイセンキュウ(L.jeholense)などの根および根茎を用いる。 日本ではセリ科のヤブニンジン(Osmorhiza aristata)や中国原産のセリ…

厚朴

○厚朴(こうぼく) 中国の南部を原産とし中国の各地に分布しているモクレン科の落葉高木カラホウ(Magnolia officinalis)や凹葉厚朴(M.offcinalos var.biloba)の幹や枝の樹皮を用いる。日本ではホウノキ(M.obovata)が利用されている。 中国産では根に近…

粳米

○粳米(こうべい) インド北部から中国の雲南省を原産とし、アジアおよび世界各地で食用として広く栽培されているイネ科のイネ(Oryza sativa)の穀粒(種仁)、すなわちうるち米を玄米にした状態で用いる。生薬名では、もち米の穀粒を粳米、両者とも全草を…

香附子

○香附子(こうぶし) 全世界の温帯に分布し、日本でも関東以西に自生するカヤツリグサ科の多年草ハマスゲ(Cyperus rotundus)の根茎を用いる。おもに砂浜や川原の砂地に生えるが、畑や公園の雑草として嫌われている。 中国の植物名は莎草といい、生薬では地…

猴棗

○猴棗(こうそう) インド、マレーシア、中国南部に生息するサル科のアカゲザル(Macaca mulatta)の内臓結石を用いる。アカゲザルはベンガルザルとも呼ばれ、ニホンザルに似るが尾が長く、灰茶色の体毛で覆われている。森林に群居し、野草や木の実、昆虫な…

葒草

○葒草(こうそう) アジア大陸の温暖な地域を原産とするタデ科の一年草オオケタデ(Polygonum orientale)の全草を用いる。生薬では花序を葒草花といい、果実を水葒草子という。 オオケタデは日本にも古くから伝来し、観賞用に花壇や庭に植えられたが、今日…

紅豆蔲

○紅豆蔲(こうずく) 中国南部や台湾、熱帯アジアに分布するショウガ科の多年草ナンキョウソウ(Aloinia galanga)の果実を用いる。根茎は大良姜と呼ばれ、香辛料としても用いられている。 開宝本草に紅豆蔲は高良姜の子とあるのは誤りである。広西省の一部…

香辛料

○香辛料 香辛料は植物の種子や果実、葉、根、樹皮などを乾燥し、その芳香や風味、絡み、色合いを飲食物に付加する目的のものである。香辛料の基本的な作用として矯臭作用、賦香作用、辛味作用、着色作用があり、同時に防腐作用もある。すなわち肉や魚などの…

降真香

○降真香(こうしんこう) 現在、降真香の基原植物にはマメ科のダルベルギア・オドリフェラ(Dallbergia odorifera)の根の心材をあてる場合と、ミカン科のオオバゲッケイ(Acronychia oedunculata)の心材や根をあてる場合とがある。 降真檀は中国の広東省の…

紅参

○紅参(こうじん) ウコギ科多年草オタネニンジン(Panax ginseng)の根を蒸した後に乾燥したものを用いる。せいろで2~4時間蒸した後に熱風乾燥すれば、赤褐色で半透明の人参となるため、これを紅参という。 日本で生産される人参はほとんどが紅参に加工…

紅娘子

○紅娘子(こうじょうし) 中国南部、インド、マレーシアなどに分布するセミ科のハグロゼミ(Huechys sanguinea)の乾燥した全虫を用いる。紅娘子は神農本草経に収載されている樗鶏としばしば混同されているが、現在では樗鶏は全く別の昆虫で、ハゴロモ科のシ…

香薷

○香薷(こうじゅ) 日本をはじめアジアの温帯に広く分布するシソ科の一年草ナギナタコウジュ(Elsholtzia ciliata)の開花期の全草を用いる。 中国では中国、朝鮮半島、ウスリー地方に分布する同属植物の海州香(E.splendens)を用いる。日本産や韓国産はお…

唅士蟆

○唅士蟆(ごうしま) 中国の寒い地方に生息するアカガエル科の中国林蛙(Rana chensinensis)、黒竜江林蛙(R.amurensis)の内臓を除いたものを乾燥して用いる。雌の輪卵管を乾燥したものを唅蟆油という。ちなみに唅蟆油は古代中国の八大珍味の一つとされて…

光慈姑

○光慈姑(こうじこ) 本州の福島県以南、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸に分布するユリ科の多年草アマナ(Amana edulis)の鱗茎を用いる。チューリップと近縁の野生種であり、鱗茎は古くから食用にされ、食べると甘いためアマナ(甘菜)の名がある。 生薬名…

紅景天

○紅景天(こうけいてん) 中国のチベット自治区、四川、青梅、甘肅、雲南省やロシアのシベリアの海抜2000~5000mの高地に分布するベンケイソウ科の多年生植物、紅景天(Rhodiola sacra)などの全草を用いる。 ロディオラ属はヨーロッパには200種…

高貴薬

○高貴薬(こうきやく) 高貴薬とは非常に高価であり、容易に手に入りにくい薬物のことである。今日、ワシントン条約で規制されている野生動物からの生薬も多く、今後は代用品の開発を検討することも必要であろう。またこれらの生薬には贋偽品がしばしば出回…

合歓皮

○合歓皮(ごうかんひ) 日本各地、中国、東南アジアなどに広く分布するマメ科の落葉高木ネムノキ(Albizzia julibrissin)の樹皮を用いる。花や花蕾は合歓花、合歓米という。 かつて日本ではニシキギ科のマユミの樹皮が代用されたこともある。暗くなると眠る…