漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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鉛粉

○鉛粉(えんぷん)

 酢酸鉛に炭酸塩を加えると生成する鉛白を鉛粉という。鉛に酢酸を加熱した蒸気を作用させると酢酸鉛となり、さらに二酸化炭素が反応して白色の塩基性炭酸鉛2pBCO3・Pb(OH)2の粉末ができる。古くから知られている白色顔料であり、ペンキや油絵の具のシルバー・ホワイトなどに用いられる。しかし有毒であり、硫化水素によって硫化鉛PbSとなって黒変する欠点がある。

 鉛白はすでに平安時代の貴婦人が白粉として用い、江戸時代には京白粉の名で知られ、塩化第一水銀の伊勢白粉(軽粉)とともに広く普及していた。このため江戸時代の遊女や役者たちが鉛中毒に悩まされたといわれる。またその毒性が胎児や乳児にも影響するため、昭和9年に化粧品に入れることが禁止された。

 漢方では駆虫・解毒・生肌の効能があり、寄生虫症や腹部の硬結、慢性下痢、マラリア及び皮膚疾患などに用いる。かつて腹痛や硬結、下痢などの治療に内服としても用いられたが、今日では外用薬として疔瘡、湿疹、潰瘍、火傷、脇臭などに用いられる。皮膚化膿症の外用薬にもしばしば炭酸鉛が配合されている。

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