漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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蝸牛

○蝸牛(かぎゅう)

 軟体動物に属する陸生の巻き貝カタツムリの全体を用いる。学術上ではマイマイといい、別名をデンデンムシ、マイマイツブロという。マイマイとは「巻き巻き」、ツムリやツブロとはツブリ(巻き貝)のことである。

 日本には600種類以上のマイマイ類が知られ、殻に黒いすじのあるミスジマイマイ属が一般的である。中国でおもに薬用にされるオナジマイマイ属は日本でも熱帯から渡来し、全国に分布している。フランスでは食用にエスカルゴを養殖している。日本でも戦時中にタンパク源としてアフリカマイマイを移入したが、食用にされずに現在では農作物に大きな被害を与えている。

 薬用には夏に採取して、熱湯で殺した後、天日乾燥し、炒って粉末にする。漢方では清熱解毒・利水消腫の効能があり、小児の熱性痙攣や糖尿病、咽頭炎、耳下腺炎、腫れ物などに用いる。日本の民間療法では腎臓病の特効薬といわれ、焼いて粉末にしたものを服用する。黒焼きの粉末は喘息、扁桃炎などにも用いる。身を焼いて食べると虚弱体質や疳の虫に効果がある。また痔や腫れ物、打ち身、ムカデ刺されなどに外用する方法もある。

 なおアフリカマイマイなどには病原性の寄生虫もいるため、あまり食べないほうが良い。ちなみに福島県の郡山地方では、桑畑に生息する陸生の貝類であるキセルガイの一種(カンニャボ)が古くから肝臓の薬として利用されている。

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