漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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九香虫

○九香虫(きゅうこうちゅう)

 中国の揚子江以南の地域に分布するカメムシ科の昆虫ツマキクロカメムシ(Aspongopisu chinensis)の乾燥した全虫を用いる。主産地は雲南・四川・貴州・広西省などである。

 体長2cm前後、幅1cmくらいの紫黒色のカメムシの一種で、後肢の基部に臭孔があり、強烈な臭気を放つため打屁虫とか酒香虫などの名もある。日本でもカメムシをヘクサムシとかクサガメと呼んでいる。なおカメムシの名は虫体が亀の甲に似た六角形をしていることに由来する。一般に瓜類や柑橘類の害虫として扱われている。

 冬季間は成虫のまま石の下などで越冬するため、採取は晩秋に行う。熱湯の中に入れて殺し、日乾あるいは焙って乾燥する。薬材の九香虫は乾燥しているが油性があり、質は脆くて切断すれば茴香のような香りがある。

 成分にはトランス-2-ディセナル、オクテナル、ヘクサナルなどが含まれている。漢方では理気・止痛・温中・壮陽の効能があり、胸や腹の痞満や痛み、足腰の衰え、インポテンツなどに用いる。

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