漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

スポンサーリンク

姜黄

○姜黄(きょうおう)

 東南アジア、中国南部に分布するショウガ科の多年草ウコン(Curcuma longa)あるいはキョウオウ(C.aromatica)の根茎を用いる。ウコンとキョウオウはよく似た植物であるが、ウコンの開花期が秋であるため秋ウコンと呼ばれ、キョウオウ葉5~6月に花が咲くため春ウコンと呼ばれている。沖縄ではキョウオウのことを春ウッチンとか沖縄ウコンと呼んでいる。

 日本と中国では、原植物のウコンとキョウオウの名称が逆転しており、中国ではウコンを姜黄、キョウオウを欝金という。ただし、中国の生薬名ではいずれの根の先にできる紡錘形の塊茎を欝金、茎に続く根茎を姜黄という。一方、日本薬局方では生薬の欝金をウコンの根茎と規定しており、日本で漢方生薬として流通している欝金は、中国でいう姜黄のうちウコンを基原とするもののことである。香辛料のターメリックも、ウコン(秋ウコン)の根茎である。

 黄色色素のクルクミンはウコン(秋ウコン)の方が多く含有するが、クルクモール、クルクメンなどの精油成分はキョウオウ(春ウコン)の方が豊富である。クルクミンには抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用のほか、胆汁分泌を促進し、肝機能を改善する効果があり、またアルコールの分解を促進することから、一般に二日酔い防止などの肝庇護薬として利用されている。

 また、1991年アメリカでマウスにクルクミンを塗布する実験で、皮膚癌の発生を抑制すると発表され、その後、胃癌、大腸癌などさまざまな癌の発生を抑える効果が報告されている。ウコンにはクルクミン以外に胆汁分泌を促進する作用のあるターメロン、シネオールなどの精油成分が含まれている。ただし、ウコンの副作用として、皮膚が痒くなるアレルギー症状や肝障害、胆管障害なども報告されている。

 中国医学の姜黄(日本名:欝金)には活血・理気・通経・止痛の効能があり、胸や腹の張痛、産後の腹痛、生理痛、腫瘤、腕の痛み、打撲傷などに用いる。女性の腹痛で背中や肩に痛みが及ぶときには延胡索・乳香などと配合する(延胡索湯)。ストレスなどで脇腹部が痛み、消化の悪いときには木香・陳皮などと配合する(舒肝丸)。

 なお欝金と姜黄の異なるところは、性味では欝金が涼であるのに対し姜黄は温であり、欝金が活血作用に優れるのに対し、姜黄は血中の気を行らせる作用があると説明されている。

広告を非表示にする