漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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狗脊

○狗脊(くせき)

 奄美諸島以南、台湾、中国南部、東南アジアなどに分布するシダ植物タカワラビ科のタカワラビ(Cibotium barometz)の根茎を用いる。秋から冬にかけ、地上部が枯れたときにこの根を採取する。長く這った根茎の形が犬の脊骨に似ているため狗脊といわれ、根茎と葉柄の基部の周囲が黄色の毛に覆われているため金毛犬脊ともいわれる。

 中国四川省で多く産出されるが、福建省産のほうが品質がよい。また陜西省ではオシダ科の植物の根茎が狗脊あるいは黒狗脊と呼ばれたり、湖南・江西・広西省ではシシガシラ科のオオカグマ(Woodwardia japonica)の根茎が狗脊として用いられている。

 タカワラビの根茎にはデンプンが約30%のほか、アスピジノールなどが含まれる。漢方では肝腎を補い、筋骨を強め、風湿を去る効能があり、足腰の衰弱、失禁、頻尿、遣精、帯下などに用いる。高齢者などで不眠、健忘、精神疲労、眩暈、脱力感のみられるときには人参・地黄・夜交藤などと配合する(滋補片)。腰や背がこわばって痛み、仰向けになれず、足や膝の弱ったときには桑寄生・杜仲・牛膝などと配合する。リウマチなどによる関節痛や腰痛などには秦艽・続断・牛膝などと配合する。

 根茎の周囲の柔毛は金狗脊黄毛と呼ばれ、あぶって粉末にしたものを止血・生肌薬として外傷性の出血などに外用する。

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