漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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芡実

芡実(けんじつ)

 日本各地、台湾、中国、インドなどに分布するスイレン科の一年草オニバス(Euryale ferox)の成熟した種子の仁を用いる。池や城の堀などで直径1m以上にもなる大きな葉を広げ、葉や葉柄に刺が密生してフキに似ているためミズブキとも呼ばれる。

 種子は球形で黒いが、種皮を除いた薬材は直径6mmくらいで赤褐色をしている。種子にはデンプンを多く含むため、芡実米とか鶏頭米などと呼ばれ食用にされる。粉にしたものは芡粉といって片栗粉と同様にあんかけ料理に用いる。

 成分にはデンプン、タンパク質、カルシウム、鉄分、ビタミンB1・B2などが含まれる。漢方では健脾・止瀉・補腎・固精の効能があり、遣清、頻尿、夜尿、尿失禁、帯下、下痢などに用いる。

 ハスの果実である蓮肉と同じく滋養・強壮作用にすぐれ、虚弱者や高齢者などの腎虚状態に用いる。腎虚による遣精や夜尿、頻尿には竜骨・牡蠣・蓮肉などを配合する(金鎖固精丸)。また遣精や帯下には金桜子と配合する(水陸二仙丹)。小児の胃腸虚弱による下痢には人参・茯苓・白朮などと配合する。婦人の帯下には黄柏・車前子などと配合する。ただし芡実の効果の発現は緩慢であり、1ヶ月以上服用する必要がある。

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