漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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膠飴

○膠飴(こうい)

 粳米または糯米を蒸したのち、麦芽のアミラーゼを用いてデンプンを分解し、糖化させて製した飴である。膠飴には軟らかいものと固形のものとがあり、軟らかいものは黄褐色、半透明の濃厚な水飴状であり、固形のものはこの水飴を攪拌し、空気と混和して凝固させたものである。味は甘く、特異な麦芽臭があり、一般に水飴状のものが良品とされている。

 成分にはマルトース(麦芽糖)やデキストリンなどが含まれる。麦芽糖マルツエキスとして乳児の便秘薬に利用されている。漢方では健脾・止痛・止咳の効能があり、過労による胃腸障害、腹痛、咳嗽、吐血、口渇、咽痛、便秘などに用いる。

 とくに胃腸虚弱者によくみられる腹痛を緩和する。たとえば小建中湯、大建中湯、黄耆建中湯、当帰建中湯などの建中湯の処方に配合され、いずれも虚弱な体質を改善し、冷えなどによる腹痛を緩和する効果がある。また止咳薬として乾咳の症状に単独あるいは杏仁・百部などと併用する。

 ただし膠飴は非常に甘いため腹部膨満感をきたしやすく、多量に服用すると嘔吐することがあるので注意を要する。なお膠飴は他の生薬を煎じて滓を漉した後に溶かして服用する。

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