漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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香櫞

○香櫞(こうえん)

 インド原産のミカン科の常緑低木シトロン、すなわちマルブッシュカン(Citrus medica)の成熟果実を用いる。シトロンは直径が10cm以上の大果で、熟すと橙黄色になり、よい香りがする。

 中国ではシトロンを枸櫞というが、日本ではレモンの果皮を枸櫞皮という。またブッシュカン(仏手柑)はシトロンの変種のひとつである。市場の薬材はこの果実を厚さ2~3mm輪切りにして乾燥したものである。

 シトロンの果実にはヘスペリジンクエン酸、リンゴ酸、d-リモネンなどが含まれている。漢方では疎肝・理気・化痰の効能があり、胃痛、腹満感、咳嗽、食欲不振、嘔吐などに用いる。

 仏手柑と比較すると香りや効力はやや劣るが、化痰の作用は強い。おもにストレス(肝欝)による腹満感や胸の痞寒感、脇腹の痛み、食欲不振、嘔吐などに陳皮・香附子などと配合して用いる。また痰が絡んですっきりしない咳嗽には半夏・茯苓・生姜などと配合する。

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