漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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犀角

○犀角(さいかく)

 サイ科の動物、サイ類の角を犀角という。サイはアジア及びアフリカの熱帯に生息する草食動物で、鼻の上に1本あるいは2本の角質の角を持っている。アジアには鎧のような厚い皮をもつ1角のインドサイ、ジャワに分布するインドサイよりもやや小さい1角のジャワサイスマトラに分布する最も小型で体毛の多いスマトラサイが、アフリカにはクロサイとシロサイが生息している。

 一般に犀角は大きく烏犀角と水犀角の2つに区別される。烏犀角とはインド犀の角を基原とし本犀角とも呼ばれるが、これらの動物は絶滅に瀕しており中国でも市場にはほとんど出ていない。これに対して水犀角はアフリカのクロサイの角に基づくものである。犀角の市場品はほとんどが水犀角である。ただし現在はワシントン条約により日本への輸入は禁止されている。このため近年、中国では水牛角が代用品として注目されている。

 犀角の主要成分はケラチンであるが、ケラチンを構成しているアミノ酸にはシスチン、ヒスチジン、リジン、アルギニンなどが含まれている。そのほか他のタンパク質、ペプチド類、遊離アミノ酸、グアニジン誘導体、ステロール類などが含まれている。

 漢方では清熱・定驚・涼血・解毒の効能があり、感染症による高熱や煩躁、痙攣、意識障害、出血、斑疹、発疹などに用いる。高熱に伴う意識障害には連翹・玄参などと配合する(清営湯)。痙攣のみられるときには羚羊角などと配合する(紫雪丹)。出血するときには生地黄・牡丹皮を配合する(犀角地黄湯)。発疹するときには石膏・知母などと配合する(化斑湯)。

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