漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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松香

○松香(しょうこう)

 中国の中南部の各地に分布しているマツ科の常緑高木タイワンアカマツ(Pinus massoniana)やユシュウ(P.tabulaeformis)などのマツの幹からとった樹脂を用いる。枝や幹の節は松節、葉は松葉といい薬用にする。

 マツの幹を刀でV字に削り、流出した油状樹脂を採取する。この粘着性の樹脂は生松脂あるいはテレビンチナ(テレメンチナ)という。テレビンチナには皮膚刺激性があり、吸出し膏としても用いる。このテレビンチナを水蒸気で蒸留した精油がテレビン油であり、精油を除いた残りの滓を冷却して固形にしたものを松香あるいはロジン(マツヤニ)という。

 松香とロジンは成分は同じであるが、ロジンのほうがより精製されている。松香は不規則、半透明な琥珀色の塊で、常温では堅くて断面には光沢がある。成分にはアビエチン酸、ピマール酸などが含まれる。ロジンは絆創膏や硬膏の基剤として用いる。また野球の投手が滑り止めに用いている袋に入った粉末もロジンである(ロジンバック)。

 漢方では排膿・生肌・止痛の効能があり、皮膚化膿症や皮膚病、掻痒症、痔、外傷、筋肉痛、歯痛などに用いる。一般に研って粉末にしたものを外用にしたり、丸剤、散剤として服用する。

 排膿薬としてよく知られる吸出し青膏などの基剤として木蠟などとともに配合されている。またテレビン油はリウマチ、神経痛の塗布剤としても用いる。

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