漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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生地黄

○生地黄(なまじおう)

 中国原産のゴマノハグサ科多年草ジオウ(Rehmannia glutinosa)の根を用いる。生地黄というのは、採集後3ヶ月以内の新鮮な根のことで、採取した後、乾燥した砂の中で保存したものである。

 日本では国産の新鮮な地黄を生地黄と呼び、入手可能な期間は12~1月と限られている。ただし、実際には日本の市場にはほとんど流通していない。中国では生地黄として鮮地黄(鮮生地)と干地黄(干生地)の両者を含むが、ここでは鮮地黄のことを説明し、干地黄は別項に記す。

 地黄にはイリドイド配糖体のカタルポール、レオヌライド、アウクビン、糖類のマンニトール、スタキオースなどのほか、β-シトステロール、カロテノイドなどの成分が含まれている。地黄エキスでは血糖降下作用や強心・利尿作用、肝庇護作用、抗菌作用などが認められている。

 漢方では清熱・涼血・止血・生津の効能があり、熱病による脱水状態で口渇が激しいとき、斑疹がみられるとき、血熱妄行による出血などに用いる。例えば、熱病に伴う斑疹には犀角・牡丹皮を配合する(犀角地黄湯)。血熱妄行による吐血や下血に搾った汁を単独で、あるいは側柏皮・茜草根などと配合する(四生丸)。発熱時の便秘には玄参・麦門冬などと配合する(増液湯)。微熱や盗汗があり、舌が鏡面舌を呈し、口腔内が乾燥している多ときには沙参・麦門冬なとど配合する(一貫煎)。

 金匱要略ではベーチェット病などと想定されている百合病に対して、百合の煎液に生地黄の汁を加えた処方の記載がある(百合地黄湯)。そのほか傷寒論金匱要略で生地黄が用いられている処方として炙甘草湯、防已地黄湯がある。ちなみにジオウの汁などを原料とした練り薬に瓊玉膏というのがある。これはジオウの搾汁を3日3晩、蒸しながら練り続けて製造され、薬性を熟地黄へと変化させたものであり、古くから不老長寿の薬として知られているものである。

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