漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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徐虫菊

○徐虫菊(じょうちゅうぎく)

 バルカン半島ダルマチア地方原産のキク科の多年草ジョチュウギク(chrysanthemum cinerariaefolium)の頭状花を用いる。日本には明治初期に渡来し、北海道、岡山、広島、愛媛などで栽培され、戦前には世界第一の生産量をあげ、近年では瀬戸内海地方にわずかに栽培されているに過ぎない。現在、ケニア高地で優良種が生産され、世界一の産地となっている。

 古くから頭花を摘みとり、乾燥したものはノミ取り粉、茎や葉はいぶして蚊やりとして用いられた。殺虫成分はピレトリン(ピレスロイド)で、九分咲きから満開の頭花に最も多く含まれる。

 ピレスロイドは即効性の接触毒であり、昆虫の気門や口から吸収されて運動神経を麻痺させて殺す。ピレスロイドは昆虫のほか、魚類や両生類、爬虫類などにも毒性があるが、温血動物には無害である。またDDTやBHCなどと異なり、容易に分解して失効する。現在でも植物性殺虫剤の原料として蚊取り線香、エアゾール、農業用殺虫剤などに利用されている。

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