漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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蒔蘿子

○蒔蘿子(じらし)

 ヨーロッパの地中海沿岸地方や西アジアを原産とするセリ科の一年草イノンド(Anethum graveolens)の果実を用いる。ヒメウイキョウとかデイルという名の香辛料としても知られ、古代メソポタミアやエジプトで栽培された最も古い香草、薬草の一つである。

 果実はデイルシードと呼ばれ、サラダや煮込み料理、ソースやスープなどに用いられる。イノンドという名はスペイン語のEneldoの音訳で、江戸時代の中期にスペイン人が長崎に伝えたといわれている。葉もスープやピクルスの香り付けに使用される。

 果実には精油成分のカルボン、リモネン、ジラピオールなどのほか、キサントン配糖体のジラノサイドなどが含まれ、芳香性の健胃薬、駆風薬として知られている。

 漢方でも脾腎を温めて健胃・理気の効能があり、食欲不振や嘔吐、下痢、腹痛などの症状に用いる。民間では嘔吐やしゃっくりを止めるのに用いている。水蒸気蒸留した蒔蘿水は小児の食べ過ぎに用いる。ヨーロッパでは泣き叫んでいる幼児を鎮めるために用いている。

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