漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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地竜

○地竜(じりゅう)

 日本、朝鮮半島、中国の山野や畑などに生息するミミズ科の乾燥したものを用いる。中国ではフトミミズ科の参環毛蚓(Pheretima aspergillum)やツリミミズ科に属するカッショクツリミミズ(Allolobophora caliginosa trapezoides)というミミズを用いる。

 前者は大きなものでは体長36cm、幅1cm以上もあり、後者は大きなものでは体調25cm、幅4mm程度とやや小さい。生薬名で前者を広地竜、後者を土地竜という。広地竜は腹を開いて内臓を出してから乾燥したもの、土地竜は草木灰の中に入れて殺し、そのまま乾燥したものが流通している。日本産の地竜はカッショクツリミミズである。

 地竜は古くから薬用に用いられ、神農本草経の下品に白頸蚯蚓という名で収載されている。成分にはルンブリフェブリン、ルンブリチン、テレストロルンブリシンなどが含まれ、解熱作用、降圧作用、気管支拡張作用、鎮静、抗痙攣作用などが認められている。

 漢方では清熱瀉火・定驚・通経絡・止咳の効能があり、高熱時のひきつけや煩躁、癲癇、脳卒中後遺症、喘息、気管支炎、リウマチなどに用いる。例えば脳卒中による半身不随や言語障害、小児麻痺などに黄蓍・当帰などと配合する(補陰還五湯)。またリウマチなどによる関節痛や神経痛に用いる大・小活絡丹にも配合されている。

 日本の民間でも発熱性疾患や咳嗽、中耳炎、尿路感染症、浮腫などに用いる。また生のミミズはひょう疽の特効薬ともいわれ、すりつぶして米飯と混ぜて患部に塗ったり、裂いた皮を指に巻いて用いる。

 近年、欧米に広く生息している体長3~4cmのアカミミズ(red worm)の一種、ルンブルクス・ルベルスからルンブルキナーゼという血栓溶解酵素が発見され、アカミミズの皮を除いた内臓を凍結乾燥させた粉末が健康食品として市販されている。

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