漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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神麹

○神麹(しんきく)

 日本では米を蒸して酵母菌により発酵させた麹を神麹という。中国では小麦粉や米の麩に赤小豆粉、杏仁泥、青蒿、蒼耳、野辣蓼を混合して発酵させたものをいう。

 現在、一般的な中国の製法は新鮮な青蒿(カワラニンジン)、蒼耳(オナモミ)、野蓼(ヤナギタデ)を細切りにし、これに赤小豆の粉にしたもの、杏仁の渋皮をとってスライスしたものを加えてかき混ぜ、さらに小麦粉と米のふすまと水を加えて練って団子状にする。その後、これを押しつぶして厚さ1cmの平板状にし、表面に黄色い菌糸が伸びたころに乾燥させて作る。もともと小麦を除いた六味で作られてたため六曲ともいう。神麹の薬材は厚さ1cmで、3cmくらいの方形に切ったものである。

 神麹には酵母菌のほか、アミラーゼ、プロテアーゼ、ビタミンB複合体、配糖体類などが含まれ、消化酵素製剤に類するものと考えられる。漢方では健脾・消化・止瀉の効能があり、消化不良や食欲不振、腹部膨満感、下痢などの症状に用いる。

 小児の食べ過ぎや消化不良による痞満やむかつきには山査子・陳皮などと配合する(保和丸)。食欲不振、消化不良には人参・白朮などと配合する(人参健脾丸)。また胃腸虚弱者の眩暈症に用いる半夏白朮天麻湯にも神麹が配合されている。

 ちなみに福建省産の有名な建麹は約40種類の生薬を混ぜ合わせて作ったもので茶料として利用されているが、かつて日本では建麹を神麹として用いていたこともある。

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