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漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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茶葉

○茶葉(ちゃよう)

 中国原産のツバキ科の常緑小高木チャ(Camellia sinensis)の葉の乾燥したものを用いる。茶の変種としてインドのアッサム地方原産のアッサム茶もある。

 中国では紀元前10世紀の周の時代に薬用とされ、紀元前3世紀ごろに嗜好品とされ始め、8世紀の唐の時代に栽培や製茶が普及した。日本には天平時代に最澄が種子を持ち帰ったとされている。さらに鎌倉時代には栄西が「喫茶養生記」を著し、喫茶の風習が広まった。ヨーロッパには16世紀に中国や日本から紹介され、喫茶が流行した。

 一般に普及している茶はその加工法で大別すると乾燥茶の緑茶、発酵茶の紅茶、半発酵茶の烏龍茶に区別される。茶の葉を摘んでそのまま放置すると葉の中の酸化酵素により黒く変化する。このため緑茶は採取した新鮮な若葉をせいろの中で高温加熱して酸化酵素の作用を止め、さらに加熱しながら揉んで乾燥させて製品化する。日本の煎茶玉露、番茶は緑茶の種類である。

 茶葉にはポリフェノールカテキン類)、アルカロイドのカフェイン、アミノ酸の一種のテアニン、ビタミンCやビタミンB群などが含まれ、茶の苦味はカフェイン、渋味はカテキン類、旨味はテアニンに起因する。茶ポリフェノールは、その性質からタンニンと呼ばれていた成分であるが、その茶ポリフェノールの約70%はフラボノールのカテキン類である。この茶カテキンには、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートがあり、とくにエピガロカテキンガレートが一番多く含まれ、しかも生理活性が最も強いといわれている。

 茶ポリフェノールには、抗う蝕、消臭、コレステロール吸収阻害、抗菌・抗ウイルス、抗腫瘍、脂肪燃焼、腸内細菌改善、抗酸化作用などが知られている(サンフェノン)。さらに高濃度の茶カテキンを摂取することにより、脂質代謝が活発になり、脂質の燃焼が促進され、体脂肪が減少することが明らかとなり、特定保健用食品として認められている(ヘルシア緑茶)。また、カフェインには中枢神経興奮、強心利尿、胃酸分泌刺激、熱酸性量の増加、体脂肪の分解などの作用が認められている。一方、テアニンには、脳神経をリラックスさせ、イライラや過食を抑え、睡眠の質を向上させる働きがあるといわれている。

 漢方では清頭目・利尿・止瀉の効能があり、頭痛、多眠、下痢などに用いる。感冒などによる頭痛には白芷・川芎などと配合する(川芎茶調散)。細菌性下痢に濃く煎じた渋茶を服用する。民間では煎液を火傷やオムツかぶれの湿布薬として、また口内炎咽頭炎感冒予防などの含嗽薬としても利用している。ただし、不眠症の人の服用には注意が必要である。

 近年、摘んだ茶葉を数時間、窒素ガスの中に保存してから通常の方法でお茶を製造するとγ-アミノ酪酸(ギャバ:GABA)の含有量が通常のお茶の20~30倍に増加することが発見され、このお茶を服用することで血圧降下や精神安定などの効果があると期待されている。

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