漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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冬瓜子

○冬瓜子(とうがし)

 熱帯アジア原産とされるウリ科のつる性の一年草トウガン(Benincasa hispida)の成熟種子を用いる。また果実を冬瓜、果皮は冬瓜皮といい薬用にする。

 トウガンは古くに中国から渡来し、10世紀ころには日本でも栽培が行われていた。今日では一般に8~9月に収穫されるが、古くは霜の下りるころに収穫され、また貯蔵性に優れており、冬の食べ物としてよく利用されていた。このため冬瓜の名がある。果肉の味は淡白で、独特の風味があり、スープや煮物、漬物などに利用される。

 種子にはサポニン、脂肪、タンパクのほか、アデニン、トリゴネリンなどが含まれる。漢方では清熱化痰・排膿の効能があり、肺炎による咳嗽や肺化膿症、虫垂炎などの化膿性疾患に用いる。

 肺癰(肺化膿症)などで咳嗽、喀痰、胸痛などの症状のあるときには芦根・薏苡仁などと配合する(葦茎湯)。腸癰(虫垂炎)などで右下腹部に痛みのあるときには大黄・牡丹皮などと配合する(大黄牡丹皮湯・腸癰湯)。また冬瓜や冬瓜皮には利水・消腫の効能があり、浮腫や排尿障害などに茯苓・沢瀉・猪苓などと配合する。

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