漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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杜松実

○杜松実(としょうじつ)

 日本の関東地方以西、朝鮮半島、中国に分布しているヒノキ科の常緑低木、ネズ(Juniperus rigida)の球果を用いる。ネズサシともいうが、葉の先が針のように尖っていて、この葉のついた小枝をネズミ穴に差し込んでおくとネズミが通らなくなるためその名がある。

 ヨーロッパでは同属植物のヨウシュネズ(J.cimmunis)の球果が古くから薬(ジュニパー)として用いられていた。17世紀、オランダの医師が熱性疾患の治療を目的として蒸留酒にその果実を加えた薬酒を用いたが、これが蒸留酒のジンの起源とされている。

 果実の精油成分には利尿・発汗作用のあるジテルペン酸などが含まれている。欧米では古くからジュニパーベリー(Juniper berry)のハーブティーを発汗・利尿薬として膀胱炎や尿道炎、浮腫、風邪、痛風疝痛などに用いている。

 ジュニパーベリーの製油はアロマテラピーなどにも利用され、蒸気吸入やアロマバス、オイルマッサージなどで、ストレスの緩和、排尿障害や痛風や神経痛などの改善に用いられている。ただし、過量に使用すると胃腸粘膜を刺激したり、タンパク尿や血尿が出ることがあるので注意が必要である。中国でも近年になって利尿・去風湿薬として浮腫や痛風に用いている。またリウマチに果実の汁を塗布する。

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