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漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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豚脂

健康 生薬名(た~と) 生薬名(は~ほ)

○豚脂(とんし)

 イノシシ科動物のブタ(Sus scrofa domestica)の脂肪を用いる。ブタは古くから家畜として飼育されていた動物で、薬用にもあらゆる臓器が利用されている。ブタの脂肪はラードともいわれ、食用や石鹸の原料のほか軟膏基剤としても重要である。

 組成は飼料や品種、採油する部位により著しく異なるが、一般に成分はオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸リノール酸、βパルミトディオレインのグリセリドなどが含まれる。豚脂は常温で無色半透明の半固体であり、融点は36~42℃と人間の体温とほぼ同じである。

 軟膏基剤として利用される利点は四季を通じて半固体で、皮膚に対する刺激が少なく、皮膚への浸透性も優れている。一方、欠点としては臭いやベトつきがある。薬用には一般に腹部の脂肪が用いられ、臭いの少ないものが良品である。

 漢方では補虚・潤燥・解毒の効能があり、皮膚の亀裂や便秘、咳嗽などに用いる。火傷や霜焼け、ひび、痔患などに胡麻油・紫根・当帰などと配合する(紫雲膏)。金匱要略の中に、黄疸で尿利の悪いときの内服薬として猪膏に血余炭と配合した猪膏髪煎が収載されている。

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