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漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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夏皮

○夏皮(なつかわ)

 ミカン科の常緑低木ナツミカン(Citrus natsudaidai)の成熟した果実の果皮を用いる。未熟果実はダイダイなどとともに枳実、枳殻としても用いられる。ナツミカンは18世の初め、山口県長門市青梅島の海岸に漂着した果実の種子を蒔いたものが原木とされている。ナツカン(夏柑)、ナツダイダイ(夏橙)ともいう。

 酸味が強いため、江戸時代には食酢として用いられていたが、夏に食べると美味しいことから栽培されるようになった。昭和初期にナツミカンの突然変異種で酸味の少ないアマナツが大分県の果樹園で発見され、現在では生産されているほとんどがアマナツである。

 夏皮には特異な芳香と苦味があり、d-リモネンを主成分とする精油、フラバノン配糖体のナリンギン、クマリン誘導体などが含まれている。夏皮は橙皮などの代用や芳香性健胃薬の家庭薬、芳香料として浴剤などに用いられる。

 新鮮な果皮はオレンジ油やミカン油の原料となる。またナツミカン、ダイダイなど柑橘類の果皮の油分を除いた後に末としたものは柑皮末といい、賦形剤として用いられる。

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