漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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南瓜子

○南瓜子(なんかし)

 南メキシコから中米にかけてを原産とするウリ科のつる性一年草カボチャ(Cucurbita moschata)の種子を用いる。日本には16世紀、豊後の国に漂着したポルトガル船で伝えられたといわれ、カボチャの名は「カンボジアに生じたる」という誤解に由来する。

 カボチャには関東ではトウナス、関西ではナンキン、九州ではボウブラといった方言がある。トウナス(唐茄子)、ナンキン(南京)の名は中国経由で渡来したことを表し、ボウブラはアボーブラというカボチャのポルトガル語に由来する。

 江戸時代から冬至にカボチャを食べると中風や風邪を患わないという風習が広まっているが、これは長期間保存のきくカボチャで冬期のビタミン源を補うという生活の知恵である。中国ではカボチャの種子をスイカやヒマワリの種などと同じく瓜子儿と称し、歯で殻を割り、中の実をお茶受けとして食べる。

 カボチャの種子にはリノール酸やパルミチン酸などの脂肪酸やビタミンC・B1、ククルビチンが含まれ、ククルビチンには条虫を麻痺させる作用がある。漢方でも駆虫薬として知られる。

 回虫駆除には単独でも用いるが、条虫駆除には檳椰子と配合して駆虫効果を高める。南瓜子の皮を除いて粉末にしたものを、麻の起床空腹時に服用し、2時間後に檳椰子の煎液を服用し、さらに30分後に下剤を服用する。ブタやウシの寄生虫駆除に応用されている。

 そのほか産後の浮腫や母乳の不足にも用いる。近年、同属植物のペポカボチャの種子が頻尿や尿失禁などの排尿障害に効果があるとして注目されている。

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