漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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蕃石榴

○蕃石榴(ばんせきりゅう)

 熱帯アメリカ原産で、熱帯および亜熱帯の世界各地で栽培されているフトモモ科の常緑小高木バンジロウ(Psidium guajava)の果実や葉を用いる。生薬では未成熟の果実を番石榴乾といい、葉を番石榴葉という。

 バンジロウは紀元前から古代いんかインカ族によって栽培されていたといわれ、16世紀にスペイン人によってフィリピンに伝えられた。17世紀ごろには台湾や沖縄県にも伝えられ、現在、琉球諸島で野生化している。果実がザクロに似ていることから中国では番石榴といい、その漢字を日本でバンザクロ、バンジロウと呼んでいる。

 日本では、グァバとしても知られているが、グァバとはスペイン語の果実という意味に由来する。また、学名シジュウム・グァバというが、近年、南米産の葉をシジュウムとも呼んでいる。グァバの果実はビタミンに富み、そのまま食用にしたり、ジュースやジャムに利用される。台湾では葉をパーラ茶と呼んで飲用する習慣がある。

 果実にはビタミンC、カロテン、シトステロール、ケルセチンなどが含まれ、葉には多量のタンニンなどのポリフェノール(グァバ葉ポリフェノール)が含まれている。中国やインド、東南アジアでは果実や葉を収斂性の止瀉薬として下痢に用いている。台湾では古くから糖尿病の治療や肥満防止の効果が知られている。

 グァバはポリフェノールにはαアミラーゼ、αグルコシダーゼなどの糖質分解酵素の働きを阻害し、糖分の吸収を抑制して、血糖上昇を抑える効果が確かめられており、血糖が高い人のための特定保健用食品の機能性成分として認められている(蕃爽麗茶)。また、グァバの一種と考えられているシジュウムの葉には、ヒスタミンやロイコトリエンの遊離抑制効果が報告されており、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状に効果があるといわれている。

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