漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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茯神

○茯神(ぶくしん)

 木材腐朽菌の一種。サルノコシカケ家のマツホド(Poria cocos)の菌核、茯苓のうち、とくにマツの根を抱いたものを茯神という。中の松の根は茯神木という。茯神の表面に朱砂の細粉をまぶしたものを朱茯神という。

 茯神には安神・利水の効能があり、茯苓とほぼ同じであるが、古くから安神作用は茯苓よりも優れているといわれている。中国での動物実験でも鎮静作用が報告されている。

 不眠、動悸、眩暈には珍珠母・柏子仁などと配合する(珍珠母丸)。茯神木はマツの腐った根で、外側に少し茯神が残っている。茯神木は平肝・安神の効能があり、健忘や失語症、顔面神経麻痺などに用いる。