○覆盆子(ふくぼんし)
中国や日本の四国や九州に分布しているバラ科の落葉低木ゴショイチゴ(Rubus chingii)などの未成熟な果実(偽果)を用いる。ゴショイチゴは
キイチゴ属のひとつで、一説に果実の形がふせた盆に似ていることから覆盆子という名があるという。日本には江戸末期に中国より渡来し、大分・高知・愛媛・
山口県などにみられる。
成分には有機酸、糖類、ビタミンA様物質などがみられるが、詳細は不明である。漢方では固渋薬のひとつとして肝腎を補益して尿や精液の漏れるのを防ぐ効能がある。インポテンツ、
遺精、
早漏、夜尿、遺尿などには枸杞子・菟絲子などと配合する(五子衍宗丸)。