漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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補骨脂

○補骨脂(ほこつし)

 インド原産で、インドから東南アジアに分布するマメ科一年草オランダビユ(Psiraleacoyylifolia)の成熟した果実(種子)を用いる。

 補骨脂はその薬効を表した名といわれるが、婆骨脂は破故紙などいずれも同じような中国音を当てた別称があり、外来語と考えられる。中国では四川・河南・陝西・安徽省などを主産地とする。

 果実は長さ5cmくらいの腎臓のような形で、果皮は種子に付着し、種子には芳香がある。果実には精油や有機酸、配糖体、種子にはクマリン類のプソラレンやアンゲリシン、フラボノイド類のババキンやババキニン、カルコン類のババカルコンなどが含まれ、冠血管拡張作用などが知られている。

 漢方では補陽薬のひとつで脾腎を温補し、固精・縮尿の効能があり、遺尿や頻尿、下痢、失精やインポテンツ、足腰の冷えに用いる。腎陽虚によるインポテンツや腰痛、倦怠感などには強壮剤として海馬・人参などと配合する(海馬補腎丸・ナンパオ)。腎元不足による小児の遺尿や夜尿には胡椒・附子と配合する(尿牀丸)。

 浮腫や腹満、呼吸困難のみられるときには茯苓・附子などと配合する(壮原湯)。五更瀉といわれる早朝にみられる下痢など脾腎陽虚による慢性の下痢には呉茱萸・五味子などと配合する(四神丸)。また近年、中国では白癜風(白斑)や脱毛症に補骨脂の外用や注射治療が報告されている。
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