漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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牡丹皮

○牡丹皮(ぼたんぴ)

 中国を原産とし、中国北西部に自生するボタン科の落葉低木ボタン(paeoniasuffruticosa)の根皮を用いる。ボタンは中国を代表する国花で花王とも讃えられ、古くから薬用や観賞用に栽培され、唐代に大流行したといわれる。

 日本には奈良あるいは平安時代に渡来し栽培され、江戸時代にボタン栽培が流行し、数々の園芸品種が作りだされた。日本では薬用として主に奈良県桜井付近で栽培されている。同属植物にシャクヤク(p.lactiflora)がある。シャクヤクは多年草で冬に地上部が枯れるが、ボタンは冬でも地上部が残っている。

 薬用品種では単弁紅花がよいといわれ、また中国安徽省銅陵鳳凰山のものは最良とされ、「鳳凰丹」とか「鳳丹皮」と呼ばれている。薬用にするときは開花前に蕾を取り去り、苗から4~5年目の根を掘り取る。根から木芯を抜き取り根皮としたものを生薬に用いる。今日でも木芯はひとつひとつ口で加えて抜き取る作業が行われている。

 良品は薬剤の断面が紫褐色で切り口や内面にペオノールの白い結晶が析出し、特有の香気がある。成分としてペオノールとその配糖体であるペオノシド、ペオノリドのほかペオニフロリン、ガロタンニンなどが含まれる。薬理学的には抗炎症、血小板凝集作用のほか、抗菌、鎮痛、抗アレルギー作用なども知られている。

 漢方では清熱涼血・活血化瘀の効能があり、熱性疾患にみられる斑疹や鼻血、吐血、下血、月経不順、腹部の腫瘤、炎症などに用いる。牡丹皮の特徴として血分に入り、瘀血を散じ、血熱を清するが、涼血・止血をしても血液を瘀滞させず、去瘀・活血しても血液を妄行させないといわれる。
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