漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

刺五加

○刺五加(しごか) 北海道、朝鮮半島根中国北部、シベリアに分布するウコギ科の落葉低木エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)の根及び根茎を用いる。従来、エゾウコギは中国では五加皮の基原植物の一つとされていたが、近年、とくに刺五加あるいは五加参と…

嗜好料

○嗜好料(しこうりょう) 一般に刺激や芳香、爽快感、催酔性を楽しむためのもので、とくに栄養価や薬用的な目的を持たずに習慣的に利用されるものを嗜好料という。本来は宗教的、儀礼的な目的や、薬用的な意味を持ったものが、いつの間にか嗜好品になったも…

紫梗

○紫梗(しこう) インドやビルマなどに産するカイガラムシ科(アリマキ科)のラックカイガラムシ(Laccifer lacca)が樹木に分泌した膠物質を用いる。中国でも雲南省や四川省に産し、一般に紫草茸といわれている。日本ではこれを没薬あるいは花没薬といい、…

使君子

○使君子(しくんし) 熱帯アジアに分布するシクンシ科のつる性常緑低木シクンシ(Quisqualis indica)の果実を用いる。日本では石垣島や西表島などで植えられ、半野生化している。果実の形はクチナシに似て紡錘形で五稜を有し、中に紡錘形の種子がひとつ入っ…

紫金牛

○紫金牛(しきんぎゅう) 日本全土や朝鮮半島、中国に分布するヤブコウジ科の常緑小低木ヤブコウジ(Ardisia japonice)の茎葉を用いる。日本の民間薬ではヤブコウジの根を用いる。中国では根を紫金牛根というが、茎葉を薬用とすることが多い。冬に赤い実を…

ジギタリス

○ジギタリス ヨーロッパ南部原産のゴマノハグサ科の多年草ジキタリス(Digitalis purpurea)の葉を乾燥させたものを用いる。一般に内服には葉を粉末にしたジギタリス末を用いる。 和名のキツネノテブクロという名は英語のフォックス・グローブ(Fox-glove)…

糸瓜絡

。○糸瓜絡(しからく) ウリ科のヘチマ(Luffa cylindrica)のよく熟した果実の網状繊維を糸瓜絡という。枯れた果実をとり、揉んで外皮と果肉を取り去ったり、水に長く漬けて果皮と果肉を腐らして洗い流し、種子を除いて日干しにして網状の繊維だけを残す。…

紫河車

○紫河車(しかしゃ) ヒトの胎盤を乾燥したものを用いる。人胞・胞衣・胎衣・混沌衣・佛袈裟・混元衣などの別名もある。また新生児の臍帯も利用されることがあり、生薬名を坎気という。紫河車は健康な産婦の分娩時に排出された胎盤の血管を切り、何度も水で…

紫花地丁

○紫花地丁(しかじちょう) スミレ科の多年草ノジスミレ(Viola yedoensis)やスミレ(V.mandshurica)などの全草を用いる。紫花地丁の別名を地丁ともいうが、単に地丁といえばスミレ科の植物以外にもマメ科やリンドウ科の数種類の植物も基原として含まれる…

糸瓜

○糸瓜(しか) 熱帯アジア原産であるウリ科のつる性一年草ヘチマ(Luffa cylindrica)の新鮮で柔らかい果実を用いる。また果皮は糸瓜皮、果実内の繊維を糸瓜絡、種子を糸瓜子、茎の中の水は天羅水(和名:ヘチマ水)という。 日本には江戸時代初期に渡来し、…

紫苑

○紫苑(しおん) 朝鮮半島から中国北部、モンゴル、シベリアにかけて分布するキク科の多年草シオン(Aster tataricus)の根を用いる。中国では軟紫菀ともいう。これに対しキク科のオタカラコウ(Ligularia fischeri)などの根を硬紫菀あるいは山紫菀といつて…

地黄

○地黄(じおう) 中国原産のゴマノハグサ科の多年草ジオウ(Rehmannia glutinosa)の根を用いる。ジオウにはアカヤジオウ(R.glutinosa var.purpurea)とカイケイジオウ(var.hueichingensis)の2つの系統がある。 カイケイジオウは河南省懐慶を主産地とす…

雌黄

○雌黄(しおう) 温泉や火山付近の低温熱水鉱脈に産出する硫化ヒ素鉱、雌黄(Orpiment)である。通常、雄黄や輝安鉱などとともに産する。 雄黄と雌黄はいずれも硫化ヒ素であるが、雄黄はAs4S4であるのに対し、雌黄はおもに三硫化ニヒ素As2S3を含む…

刺猬皮

○刺猬皮(しいひ) 中国各地の山林や草原に生息しているハリネズミ科の動物、ナミハリネズミ(Erinaceus europaeus)あるいはダウリアハリネズミ(Hemiechinus dauuricus)の皮を用いる。 これらハリネズミは夜行性でおもに昆虫や小動物を食べている。体長は…

三稜

○三稜(さんりょう) 日本の各地、東アジアにかけて分布し、池や沼などの浅い水中に生えるミクリ科の多年草ミクリ(Sparganium stoloniferum)やエゾミクリ(S.simplex)、ヒメミクリ(S.stenophyllum)の塊茎を用いる。しかし、中国東北部や内モンゴル自治…

山羊血

○山羊血(さんようけつ) 中国東北部および内モンゴルの山中に生息するヤギに似たウシ科の動物ゴーラル山羊・青羊(Naemorhedus goral)の血を乾燥したものを用いる。ゴーラルは体長約1m、雄雌とも短いまっすぐな角を持ち、全体の色は灰褐色である。多くは…