漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

草豆蔲

○草豆蔲(そうずく) 台湾、海南島など中国南東部に分布するショウガ科の多年草アルピニア・カツマダイ(Alpinia katsumadai)の成熟した種子塊(果実)を用いる。従来、「名医別録」などに記載されている豆蔲は草豆蔲のこととされているが、形態から検討す…

桑椹子

○桑椹子(そうじんし) クワ科の落葉高木クワの花穂についたままの果実を用いる。中国ではおもにトウグワ(Morus alba)を用い、日本ではヤマグワ(M.bombycis)を用いる。クワの葉は桑葉、根の皮は桑白皮、幼枝は桑枝という。 果実は多汁で甘酸っぱく、欧米…

蒼朮

○蒼朮(そうじゅつ) 中国大陸に分布するキク科の多年草ホソバオケラ(Atractylodes lancea)やシナオケラ(A.chinensis)などの根茎を用いる。中国から輸入されている唐蒼朮のうちホソバオケラの根茎をとくに古立蒼朮あるいは茅朮という。 日本ではオケラ(…

蒼耳子

○蒼耳子(そうじし) 日本各地に自生するキク科の一年草オナモミ(Xanthium strumarium)の果実を用いる。オナモミはユーラシア大陸に広く分布し、日本にも古くから帰化して普通に見られる植物である。近年では北米原産の帰化植物であるオオオナモミ(X.occi…

桑枝

○桑枝(そうし) 日本産は北海道から九州、朝鮮半島、中国に分布するクワ科の落葉高木ヤマグワ(Morus bomnycis)の幼枝を用いる。中国産は中国、朝鮮半島を原産とするトウグワ(M.alba)を用いる。クワはおもに養蚕用に栽培され、毎年刈り込まれているため…

皂莢

○皂莢(そうきょう) 日本産のものはマメ科のサイカチ(Gleditsia japonica)、中国産(G.sinensis)のものはトウサイカチの果実を用いる。日本の本州、四国、九州に分布するサイカチの豆果は長さ25cmくらいでねじれている。 トウサイカチの豆果の長さは…

蚤休

○蚤休(そうきゅう) 中国各地に分布しているユリ科の多年草、金線重(Paris polyphylla)や七葉一枝草(P.polyphylla var.chinensis)、そのほか数種類の同属植物の根茎を用いる。ただし、蚤休草河車と称されている基原植物は混乱しており、しばしばタデ科…

桑寄生

○桑寄生(そうきせい) さまざまな樹木に規制するヤドリギ科の常緑小低木ヤドリギ(Viscum album var.coloratum)やオオバヤドリギ(Taxillus yadoriki)、桑寄生(Scurrula parasitica)などの茎葉を用いる。日本では、近年までサルノコシカケ科の菌体も桑…

皂角刺

○皂角刺(そうかくし) 日本においてはマメ科のサイカチ(Gleditsia japonica)、中国ではトウサイカチ(G.sinensis)の刺を用いる。サイカチは日本の中部以南、四国、九州に分布し、川原など水辺に生える落葉高木で、カワラフジノキともいわれ、サイカチの…

草果

○草果(そうか) 中国の雲南・広西・貴州省に分布するショウガ科の多年草アモムム・ツァオコ(Amomum tsao-ko)の果実を用いる。果実は褐色の長さ2~3cm、直径1~2cmの楕円形で、中が三室になり、各室には10個前後の多年体の小さな種子が固まって…

草烏頭

○草烏頭(そううず) キンポウゲ科の多年草トリカブト類の母根を烏頭といい、とくにカラトリカブト(Aconitum carmichaeli)やエゾトリカブト(A.kusnezoffii)などさまざまな野生種のトリカブト類の根を総称して草烏頭という。つまり四川省などで産する栽培…

川楝子

○川楝子(せんれんし) 中国の四川・河北・湖南・河南省などに分布するセンダン科の落葉高木トウセンダン(Melia toosendon)の果実を川楝子という。センダンは日本だけでなく世界各地で公園樹や街路樹として利用されているが、変種が多くて分類が困難である…

仙芧

○仙芧(せんぽう) 本州の中国地方以南、東アジア、オーストラリアなどに広く分布するキンバイザサ科の多年草キンバイザサ(Curculigo orchioides)の根茎を用いる。葉は笹に似て、花が黄色くて金梅を思わせるため金梅笹という名がある。 一方、仙芧といのは…

センブリ

○センブリ 日本の各地や朝鮮半島などにも分布するリンドウ科の1~2年草センブリ(Swertia japonica)の全草を用いる。一般には開花期に採取する。 センブリは日本以外にも分布するが、日本独自の民間薬である。中薬大辞典では同属植物の当薬(S.diluta)を…

旋覆花

○旋覆花(せんぷくか) 日本の各地、朝鮮半島、中国に分布するキク科の多年草オグルマ(Inula japonica)および同属植物の頭花の部分だけを用いる。またオグルマの全草は金沸草として薬用にする。 オグルマは野原や田畑などの湿ったところに生え、夏から秋に…

川貝母

○川貝母(せんばいも) 中国では貝母を浙貝母と川貝母に区別する。浙貝母は、ユリ科のアミガサユリ(Fririllaria veticillata)の鱗茎であるが、川貝母にはアミガサユリと同属植物の巻葉貝母(F.cirrhosa、烏花貝母F.cirrosa var.ecirrhora、稜砂貝母F.delav…

センナ

○センナ アフリカを原産とする常緑低木、マメ科のセンナ(Cassia acutifolia)やホソバセンナ(C.angustifolia)の小葉を用いる。中国では異国の瀉下薬という意味で番瀉葉と呼ばれている。 センナはアレキサンドリアセンナとも呼ばれ、ナイル川流域で栽培さ…

蝉退

○蝉退(せんたい) 中国ではセミ科のクマゼミによく似た黒蚱(Cryptotympana atrata)の羽化後の抜け殻、日本ではアブラゼミやクマゼミの抜け殻を用いる。ただし市場品の種類は多く、黄金色で透明なものを金蝉衣、灰褐色で光沢のないものを土蝉衣という。 成…

茜草根

○茜草根(せんそうこん) 日本をはじめ中国・東南アジアからヒマラヤにかけた広く分布するアカネ科の多年草アカネ(Rubia cordifolia)の根および根茎を用いる。 根が赤いことからアカネという名があるが、アカネは古くから茜染めの染料として有名である。茜…