漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

硇砂

○硇砂(どうしゃ) 火山の溶岩の中や温泉に存在する天然のハロゲン化合物類の鉱物、塩化アンモン石の結晶を用いる。アンモニウムはエジプトのアンモンの神殿の付近で採れた岩塩ということに由来する。古くは腐敗尿から採取したが、現在ではアンモニア水を塩…

透骨草

○透骨草(とうこつそう) 透骨草の基原植物としてさまざまな種類の植物が利用されているが、一般にはトウダイグサ科のダイダイグサ(Speranskia tuberculata)やツリフネソウ科のホウセンカ(Impatiens balsamina)の全草が用いられる。ただしホウセンカには…

冬葵子

○冬葵子(とうきし) ヨーロッパ原産で世界各地に分布しているアオイ科の多年草フユアオイ(Malva verticillata)の種子を用いる。しかし、現在では、冬葵子として市場に流通しているものの中にはアオイ科の一年草イチビ(Abutilon avicennae)の種子も含ま…

当帰

○当帰(とうき) 日本では奈良県や北海道で栽培されているセリ科の多年草トウキ(A.acutiloba)の根を用いる。日本の本州中部より北の山地にはミヤマトウキ(var.iwatensis)が自生しており、日本で栽培されているのはこの栽培種のトウキ(日本当帰・東当帰…

唐辛子

○唐辛子(とうがらし) 南米原産で世界各地で栽培されているナス科の多年草トウガラシ(Capsicum annuum)やシマトウガラシ(C.frutescens)の成熟果実を用いる。唐芥子というが、日本には桃山時代のころにポルトガルから伝来し、中国にはそれより遅く明朝末…

冬瓜子

○冬瓜子(とうがし) 熱帯アジア原産とされるウリ科のつる性の一年草トウガン(Benincasa hispida)の成熟種子を用いる。また果実を冬瓜、果皮は冬瓜皮といい薬用にする。 トウガンは古くに中国から渡来し、10世紀ころには日本でも栽培が行われていた。今…

○銅(どう) 銅は古くから中国や日本では金(小金)・銀(白金)と並んで三品といわれ、今でも銅のことをアカガネ(赤金)とも呼んでいる。銅は日本に比較的多く産出する金属で、銅鉄鋼としては黄銅鋼が最も重要である。鉱物学的にいえば天然に単体で産する…

天羅水

○天羅水(てんらすい) ウリ科のヘチマ(Luffa cylindrica)の茎中の汁を用いる。ヘチマの果実は糸瓜といい、果実の繊維を糸瓜絡という。盛夏から夏の終わりごろ、ヘチマの茎の地上50cmのところで切り、雨水が入らないように根のほうの切り口を瓶の中に…

天雄

○天雄(てんゆう) キンポウゲ科の多年草トリカブト類の細い根を天雄という。一般にトリカブト類の根は附子という名でよく知られているが、根は茎に続く塊根(母根)の周囲に数個の新しい塊根(子根)が連成している。 本来、この母根を烏頭といい、子根を附…

天門冬

○天門冬(てんもんどう) 日本の関東地方以南、台湾、中国などの暖かい海岸の砂地に自生するユリ科のつる性多年草クサスギカズラ(Asparagus cochinchinensis)の塊根を用いる。スギの葉に似た葉状枝のあることからクサスギカズラといわれ、同属植物にはアス…

天名精

○天名精(てんめいせい) 日本の全土、朝鮮半島、中国などに分布するキク科の越年草ヤブタバコ(Carpesium abrotanodes)の根や茎を用いる。根から出た葉の形が卵形でタバコの葉に似ているためヤブタバコという。ちなみにヤブタバコの果実は鶴虱といい、駆虫…

天麻

○天麻(てんま) 日本、中国、台湾などに分布するラン科の多年草オニノヤガラ(Gastrodia elata)の根茎を用いる。雑木林の中の陰湿地に生える腐生ランの一種で、塊茎でナラタケの菌糸と共生して栄養分を作るため、オニノヤガラには葉緑素はなく、茎も黄赤色…

天南星

○天南星(てんなんしょう) サトイモ科の多年草マムシグサ(Arisaema serratum)やウラシマソウ(A.thunbergii ssp.urashima)などの同属植物の塊茎を用いる。中国産の基原植物には天南星(A.consamguineum)、ヒロハテンナンショウ(A.amurense)、マイヅル…

天竺黄

○天竺黄(てんじくおう) イネ科マダケ(Phyllostachys bambusoides)や青皮竹(Bambusa texilis)、大竹節(Indosasa crassiflora)などのタケに寄生する竹黄蜂によって穴が開き、竹の節の間に溜まった塊状のものを天竺黄という。しかし、自然に産するもの…

天葵子

○天葵子(てんきし) 中部地方以西、朝鮮半島、中国などに分布するキンポウゲ科の多年草ヒメウズ(Semiaquilegia adoxoides)り全草を天葵といい、塊根を天葵子という。塊根が烏頭に似て小型なためヒメウズといい、その形がネズミの糞に似ているため千年老鼠…

テリアカ

○テリアカ 古代ローマ帝国で創製されたといわれる万能解毒剤のことをいう。紀元前1世紀に国会の南にあるポントス王国の国王ミトリダテス作ったとされる解毒剤ミトリダトをローマ皇帝ネロの侍医であるダモクラテスが改良し、これに、やはりネロの侍医である…

○鉄(てつ) 紀元前1500年ごろからインドや黒海北岸で木炭を燃料として製鉄が始まったとされている。中国では紀元前6世紀ごろから鉄器の製造が始まった。 製鉄の原料はおもに赤鉄鉱(Hematite)、褐鉄鉱(Limonite)、磁鉄鉱(Magnetite)であるが、天…

葶藶子

○葶藶子(ていれきし) 日本では各地に広く分布しているアブラナ科の越年草イヌナズナ(Draba nemorosa)の種子を葶藶子という。中国産は日本にも帰化植物として普通にみられるアブラナ科のマメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)やヒメグンバイナズナ(…

通草

○通草(つうそう) 中国南部の各地方に自生するウコギ科の常緑低木カミヤツデ(Terapanax papyriferum)の幹の白い髄を用いる。日本でも温暖地で観賞用に栽培されている。和名のカミヤツデは「紙八手」と書き、ヤツデによく似た茎や掌状の葉を有している。 …

陳皮

○陳皮(ちんぴ) 日本ではミカン科のウンシュウミカン(Citrus unshiu)の果皮を用いる。本来は新鮮なものを橘皮、その古くなったものを陳皮といっていたが、日本では区別しない。中国ではオオベニミカン(C.tangerina)やコベニミカン(C.eryhrosa)など多…