漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

半夏

○半夏(はんげ) 日本各地、朝鮮半島、中国などに分布するサトイモ科の多年草カラスビャクシ(Pinellia ternata)の球茎を用いる。半夏の名は夏の半ばに花が咲く(そのころに採取する)ことに由来し、カラスビャクシの名は仏炎の形をビャクシに例えたもので…

蕃杏

○蕃杏(ばんきょう) 日本の海岸をはじめ、太平洋沿岸の各地の砂地に分布するツルナ科の多年草ツルナ(Tetragonia tetragonoides)の全草を用いる。ツルナの果実は海流に乗って分散するため、東南アジアやオーストラリア、南米などにも広く分布している。 茎…

馬蘭子

○馬蘭子(ばりんし) 中国の北部から東北部、朝鮮半島に分布するアヤメ科の多年草ネジアヤメ(Iris pallasii)の種子を用いる。神農本草経には蠡実、名医別録には茘実とある。根は馬蘭根、花は馬蘭花、葉は馬蘭葉といい、これらも薬用とする。花が小型のアヤ…

葉蘭

○葉蘭(はらん) 中国中南部の地方原産とするユリ科の常緑多年草ハラン(Aspidistra elatior)の根茎を用いる。古い時代に日本に渡来したとされているが、鹿児島県の黒島に自生地があり、ここが原産地とも考えられている。ハランはバレン、バラン、ヒトツバ…

馬明退

○馬明退(ばめいたい) カイコガ科のカイコ(Bombyx mori)の幼虫の脱皮した抜け殻を用いる。カイコは完全に家畜化された昆虫といわれ、人間が飼育しなければ絶滅するといわれている。カイコの祖先は桑畑の害虫であるクワコという説もあるが、はっきりしてい…

浜防風

○浜防風(はまぼうふう) 日本各地をはじめ、オホーツク海沿岸から台湾にかけての海岸の砂地に分布するセリ科の多年草ハマボウフウ(Glehnia littoralis)の根および根茎を用いる。ハマボウフウの新茎でもやし状になったものは酢の物や刺身のつまなどとして…

馬勃

○馬勃(ばぼつ) 中国各地に分布するキノコの一種ホコリタケ科の植物、脱皮馬勃(Lasiosphaera fenzlii)や大頽馬勃(Calvatia gigantea)<紫頽馬勃(C.lilacina)の子実体を用いる。 日本に産するオニフスベ(L.nipponica)のように大きなまんじゅうの形を…

馬宝

○馬宝(ばほう) ウマ科のウマ(Equus caballus)の胃腸内にできた結石を用いる。鮓荅とか馬糞石とも呼ばれている。直径10cmぐらいの球形あるいは卵円形で、重さは重いものでは2.5kgのものもある。 表面はやや青みがかった灰白色で光沢があり、断面…

馬鞭草

○馬鞭草(ばべんそう) 本州以南の日本各地、世界中の温帯から熱帯に広く分布しているクマツヅラ科の多年草クマツヅラ(Verbena officinalis)の全草を用いる。野原や道端に自生しており、開花期に採取して乾燥する。 全草の成分としてフラン誘導体のベルベ…

ハーブ

○ハーブ ハーブとは、ラテン語の「草」に由来する言葉で、一般にはヨーロッパで料理や治療などに用いられている有用植物をいい、独特の芳香や香味があり、香草、薬草などとも訳されている。かつて東南アジアなどから輸入されていた香辛料をスパイスと呼ぶの…

母子草

○母子草(ははこぐさ) 日本および東アジアに分布するキク科の多年草ハハコグサ(Gnaphalium affine)の全草を用いる。ハハコグサは道端や田畑で普通にみられる雑草で、春の七草のひとつの「ごぎょう(御行)」とは餅花と呼ばれている。 ゆでると野菜として…

馬兜鈴

○馬兜鈴(ばとうれい) 関東以西、四国、九州などに分布するウマノスズクサ科のつる性多年草ウマノスズクサ(Aristolochia debilis)の果実を用いる。つるからぶら下がった果実の形が馬の首にかける鈴に似ていることからウマノスズクサあるいは馬兜鈴という…

白屈菜

○白屈菜(はっくさい) 日本各地、アジアの熱帯、ヨーロッパに広く分布するケシ科の越年草クサノオウ(Chelidonium majus)の全草を用いる。クサノオウのクサとは瘡、すなわち湿疹のことであり、別名にもタムシグサ、イボクサ、ヒゼングサなど皮膚疾患と関係…

菝葜

○菝葜(ばっかつ) 日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布するユリ科のつる性低木サルトリイバラ(Smilax china)の根茎を用いる。日本ではサルトリイバラの別名をサンキライ(山帰来)という。しかし中国ではケナシサルトリイバラ(S.glabra)のことを山帰来と…