馬宝
○馬宝(ばほう)
ウマ科のウマ(Equus caballus)の胃腸内にできた結石を用いる。鮓荅とか馬糞石とも呼ばれている。直径10cmぐらいの球形あるいは卵円形で、重さは重いものでは2.5kgのものもある。
表面はやや青みがかった灰白色で光沢があり、断面も灰白色で中に同心円の渦紋がみられる。顕微鏡でみると草の繊維が認められる。臭いはなく、味は淡いが、馬宝の粉末をスズ箔にのせて下から燃焼すれば馬尿のような臭いがする。
漢方では鎮驚・化痰・清熱・解毒の効能があり、痙攣や熱病を伴う意識障害、吐血、鼻血、腫れ物に用いる。ちなみにザリガニの胃石も薬として用いられ、喇蛄石、あるいはオクリカンキリと呼ばれていた。オクリカンキリは西洋の薬で、磨り潰して粉状にして小児のひきつけ、胃腸病、浮腫など万能薬として用いられていた。シーボルトが好んで用いたとも伝えられている。