漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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酸棗仁

○酸棗仁(さんそうにん)

 中国原産と推定されるクロウメモドキ科の落葉小高木、サネブトナツメ(Zizphus jujuba)の成熟種子を用いる。ナツメ(var.inermis)よりもすっぱいので酸棗といい、種子が大きいのでサネブトナツメという。

 サネブトナツメはナツメの母種で枝にトゲが多く、葉や果実はナツメよりも小さい。ナツメは果肉を大棗として用いるが、サネブトナツメは種子を酸棗仁として用いる。

 種子の成分にはベツリンやベツリン酸、サポニンのジュジュボシドA・Bなどが知られ、煎液には鎮静・催眠作用や鎮痛、抗痙攣作用、抗ストレス作用などが報告されている。漢方では肝を養い、心を寧んじ、精神を安定させ、汗を収斂する効能があり、古くから鎮静・安眠薬として用いている。

 酸棗仁の安眠作用は継続的な服用により次第に効果が発揮され、麻酔作用や中毒作用はない。一説によると炒して用いると不眠を治すが、生で用いると多眠を治すといわれており、吉益東洞は酸棗仁を不眠症とは逆の嗜眠症に用いて治療したという話もある。また発汗過多を抑制する作用もある。

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