2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧
○営実 日本の各地、朝鮮半島に分布するバラ科のつる性落葉低木ノイバラ(Rosa multiflora)の果実を用いる。中国ではノイバラの花を薔薇花、根を薔薇根と称して薬用にする。そのほか近縁種のテリハノイバラ(R.wichuraiana)やフジイバラ(R.fujusanensis)…
○雲母 おもに花崗岩ペグマタイトに産する珪酸塩鉱物の白雲母を用いる、かつてヨーロッパでウラル山地の白雲母をモスクワ(マスコ)経由で輸入し、窓ガラスに用いたためマスコバイト(Muscovite)という。中国では雲は岩石の精気が立ち上って凝集したと考えら…
○ウワウルシ ヨーロッパ、アジア、北米などの北半球の寒冷地に分布するツツジ科の常緑低木ウワウルシ(Arctostaphylos uva-ursi)の葉を用いる。ウワウルシの名は熊のブドウという意味であり、英語ではベアベリー、日本でもクマコケモモと呼ばれている。ヨー…
○ウワウルシ ヨーロッパ、アジア、北米などの北半球の寒冷地に分布するツツジ科の常緑低木ウワウルシ(Arctostaphylos uva-ursi)の葉を用いる。ウワウルシの名は熊のブドウという意味であり、英語ではベアベリー、日本でもクマコケモモと呼ばれている。ヨー…
○烏斂莓(うれんぼ・うれんも) 日本各地、台湾、中国、インドなどに分布するブドウ科のつる性多年草ヤブガラシ(Cayratia japonica)の根及び根茎を用いる。ヤブガラシとは、繁殖力が旺盛で「藪を枯らす」という意味であり、俗にいうビンボウカズラ(貧乏葛…
○裏白樫 日本の東北地方以南の地域から台湾にかけて分布するブナ科の常緑高木ウラジロガシ(Quercus salicina)の小枝や葉を用いる。ウラジロガシのはその名の通り葉の裏は白い蝋質でおおわれ、その白粉は熱によって溶ける。木材は農耕器具や薪炭用として、…
○兎余粮(うよりょう) 兎余粮は不純な褐鉄鉱あるいは沼鉄鉱のひとつであり、さまざまな形の塊や土状をしている。本来、余粮とは鉄質の殻の中に粘土質の核を有する鉱物のことであり、薬用には中の粘土を用いたとされる。その中の粘土が淡黄~灰色のものを兎…
○烏薬(うやく) 中国原産のクスノキ科の落葉低木テンダイウヤク(Lindera strychuifolia)の根を用いる。日本の近畿や九州にも野生化している。秦の始皇帝の命により、不老長寿の薬をもとめに来た徐福が、この木を日本に伝えたという伝説が和歌山県新宮市に…
○烏梅(うばい) 中国中部を原産とし古くから日本に渡来したバラ科の落葉小高木ウメ(Prunus mume)の未成熟果実を用いる。薬材は未熟な果実、つまり青梅を薫蒸して乾燥したものである。外面が黒いため烏梅といい、和名では「ふすべうめ」という。日本には樹…
○烏蛇(うだ) ヘビの一種ウショウダ(Zaocys dhumnades)の内臓を除去した全体を用いる。烏梢蛇の脱皮した皮は蛇退皮という。ウショウダは全長2m以上で、体は青味を帯びた灰褐色、背中央に黄褐色の二列の縞と、その外側に細い黒の縦線の模様がある。 中国…
○烏頭(うず) キンポウゲ科トリカブト属の母根を烏頭という。一般にトリカブトには茎に続く塊根(母根)の周囲に数個の新しい塊根(子根)が錬生している。この母根を烏頭といい、子根を附子という。塊根の形が烏の頭に似ていることから烏頭、母根に付着し…
○鳥賊骨(うぞくこつ) 日本の近海や中国の沿岸に生育する軟体動物コウイカ(Sepia esulenta)などの内殻、すなわちイカの甲を用いる。日本近海には100種以上のイカが知られているが、コウイカ類は楕円形をした胴の左右に薄いひれを有するという特徴があ…
○鬱金(うこん) 熱帯アジア原産で、インド、東南アジア、中国南部などで栽培されているショウガ科の多年草ウコン(Curcuma longa)の根茎を用いる。ウコンの根茎の皮を除いた乾燥し、粉末にしたものが香辛料のターメリックである。カレー粉の黄色の主原料と…
○烏骨鶏 キジ科の鶏の一種、ウコッケイの肉または内臓を除いた全体を用いる。鶏冠は紫色であるが、皮膚や足、くちばし、肉や骨まで黒いため烏骨鶏と呼ばれ、全身は柔らかい糸状の絹糸状に覆われている。羽毛の色は白や黒などがあるが、一般に白毛烏骨鶏が珍…
○烏桕根皮(うきゅうこんぴ) 中国原産のトウダイグサ科の落葉高木ナンキンハゼ(Sapium sebiferum)の根の皮を用いる。日本には江戸時代に中国から渡来し、紅葉がハゼノキに似ているためナンキンハゼという。九州では野生しているところもある。落葉した後…
○茴香(ういきょう) ヨーロッパ地中海沿岸地方を原産とするセリ科の多年草ウイキョウ(Foeniculum vulgare)の果実を用いる。現在では世界中で栽培され、日本にも明治初期に渡来し、長野県、岩手県などで栽培されている。全草に独特の芳香があり、とくに果…
○淫羊藿(いんようかく) メギ科の多年草で、日本の温帯から暖帯に分布するイカリソウ(Epimedium grandiflorum)や、本州中部以西に分布するトキワイカリソウ(E.sempervirens)の地上部全草を用いる。中国では主にホザキノイカリソウ(E.sagittatum)や心…
○印度蛇木(いんどじゃぼく) インド、ビルマ、マレー半島などに分布し、熱帯に生えるキョウチクトウ科の常緑低木インドジャボク(Rauwolfia serpentina)の根を用いる。日本でも九州南部で栽培されている。この植物の根が蛇に似ていることからインディアン…
○茵蔯蒿(いんちんこう) 日本の本州以南、朝鮮半島、台湾、中国などに分布するキク科の多年草カワラヨモギ(Artemisia capillaris)を用いる。日本では専ら初秋に採取した花の蕾(頭花)を用いるが、中国では春に収穫した幼苗(開花前の地上部)も用いられ…
○茵芋(いんう) 台湾や中国南部に分布するミカン科の常緑低木インウ(Skimmia reevesiana)の茎や葉を用いる。日本の関東地方以西には同属植物のミヤマシキミ(S.japonica)が自生している。沖縄に自生する変種のリュウキュウミヤマシキミを中国の茵芋と同…
○岩ぢしゃ 本州から琉球諸島、台湾に分布しているイワタバコ科の多年草イワタバコ(Conandron ramondioides)の全草を用いる。山地の湿った岩場に生え、葉の形がタバコの葉に似ていることからイワタバコという。「チシャ」というのは野菜のサラダ菜のことで…
○威霊仙 沖縄県、台湾、中国南部、インドシナ半島東部に分布するつる性低木キンポウゲ科のサキシマボタルヅル(別名:シナセンニンソウ Clematis chinensis)の根を用いる。そのほか中国では同属植物のセンニンソウ(C.terniflora)や東北鉄線蓮(C.manshuri…
○委陵菜(いりょうさい) 日本の本州以南、朝鮮半島、中国、台湾などに分布するバラ科の多年草カワラサイコ(Potentilla chinensis)の根または根のついた全草を用いる。川原や海岸の砂地などに生え、根の形がセリ科のミシマサイコ(柴胡)に似ているためカ…
○伊保多蠟(いぼたろう) カタカイガラムシ科の昆虫イボタロウカイガラムシ(Ericerus pela)の幼虫がモクセイ科の樹木の枝や幹に分泌した蠟状の物質を精製したものを用いる。この昆虫の寄生する樹木として日本ではモクセイ科のイボタノキ(Ligustrum obtusi…
○イヌサフラン 北アフリカ、ヨーロッパ南部を原産とするユリ科の球根植物イヌサフラン(Colchicum autmnale)の種子(コルヒクム子)や根茎(コルヒクム根)を用いる。秋にサフランに似た花が咲くが、葉がないうちに花が咲くので「裸の貴婦人」という呼び名…