木天蓼
○木天蓼(もくてんりょう)
日本各地、朝鮮半島、中国東北部などに分布するマタタビ科の落葉つる性植物マタタビ(Actinidia polygama)の果実の虫癭(むしこぶ)を用いる。中国ではマタタビの枝葉を木天蓼といい、果実の虫癭を木天蔓、虫癭でない果実を木天実という。
マタタビの花の子房にマタタビアブラムシが産卵し、そのため実は異常発育して凹凸不整の虫癭となる。マタタビの葉や茎、果実に含まれるマタタビラクトン(イリドミルメシンとイソイリドミルメシンの混合物)はネコ科の動物を興奮させ、陶酔状態にし、唾液分泌を促進する。このためマタタビは猫の好物としてよく知られている。また塩基性物質であるアクチニジンの鎮痛作用や精線に対する作用なども報告されている。
虫癭にはマタタビ酸やイリドジオールの多種の異性体が含まれる。日本の民間療法では虫癭には体を温める作用があるとして、健胃薬、強壮薬、腰痛や神経痛の治療薬として用いている。木天蔓にも同様の効果があるとされている。
また虫癭を木天蓼酒や浴湯料に利用するほか、猫の万病薬としても知られている。本来の果実も果実酒や塩漬けにして食用にされている。中国でもマタタビの枝葉などを酒に入れた木天蓼酒(太平聖恵方)は有名で、脳卒中による半身不随や構音障害に用いられている。
ちなみにマタタビの語源はアイヌ語のマタタンブ(冬にぶら下がっているツトという意味)といわれ、疲れきった旅人がマタタビの実を食べて「また旅」に出たという語源説は疑わしく、その強壮効果も定かではない。
日本各地、朝鮮半島、中国東北部などに分布するマタタビ科の落葉つる性植物マタタビ(Actinidia polygama)の果実の虫癭(むしこぶ)を用いる。中国ではマタタビの枝葉を木天蓼といい、果実の虫癭を木天蔓、虫癭でない果実を木天実という。
マタタビの花の子房にマタタビアブラムシが産卵し、そのため実は異常発育して凹凸不整の虫癭となる。マタタビの葉や茎、果実に含まれるマタタビラクトン(イリドミルメシンとイソイリドミルメシンの混合物)はネコ科の動物を興奮させ、陶酔状態にし、唾液分泌を促進する。このためマタタビは猫の好物としてよく知られている。また塩基性物質であるアクチニジンの鎮痛作用や精線に対する作用なども報告されている。
虫癭にはマタタビ酸やイリドジオールの多種の異性体が含まれる。日本の民間療法では虫癭には体を温める作用があるとして、健胃薬、強壮薬、腰痛や神経痛の治療薬として用いている。木天蔓にも同様の効果があるとされている。
また虫癭を木天蓼酒や浴湯料に利用するほか、猫の万病薬としても知られている。本来の果実も果実酒や塩漬けにして食用にされている。中国でもマタタビの枝葉などを酒に入れた木天蓼酒(太平聖恵方)は有名で、脳卒中による半身不随や構音障害に用いられている。
ちなみにマタタビの語源はアイヌ語のマタタンブ(冬にぶら下がっているツトという意味)といわれ、疲れきった旅人がマタタビの実を食べて「また旅」に出たという語源説は疑わしく、その強壮効果も定かではない。