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漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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地楡

地楡(ちゆ)

 日本各地およびアジアからヨーロッパにかけて分布するバラ科の多年草ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の根および根茎を用いる。ワレモコウは秋の野草の一つで生け花にも用いられ、また春先には若い葉をおひたしにして食べる。

 ワレモコウは「吾木香」とか「吾亦紅」と書くが、語源は明らかではない。吾木香とはジャコウソウやオケラなど芳香のある植物に付けられた名前とされているが、ワレモコウには特によい匂いはないため吾亦紅という字を当てることもある。赤い花穂は染料にも用いられている。

 成分として根にタンニンが約17%、サポニンが3~4%含まれ、サポニン成分としてサンギソルビン、チユグルコサイドなどが知られている。薬理学的に出血時間の短縮や血管収縮などの止血作用が認められているほか、抗菌作用、抗火傷作用なども知られている。

 漢方では清熱涼血・止血の効能があり、吐血、鼻血、下血、湿疹、腫れ物、外傷、火傷などに用いる。止血には地楡の外が黒くなるまで炒った地楡炭が適している。とくに慢性の血便や下痢に伴う血便、痔出血、不正性器出血など下半身の出血に適するとされている。

 たとえば痔の出血や下血には槐花・阿膠などと配合したり(清肺湯)、槐角・黄芩などと配合する(浸膏槐角丸)。また火傷や切り傷の創面に細末を油でねって軟膏にしたものや、チンキにしたものを外用する。また煎じた液も湿疹、打ち身、捻挫などに外用する。民間療法では下痢のときに煎じて服用したり、扁桃炎や口内炎ではうがいに用いる。

 近年、根から抽出したエキス、ワレモコウエキスに収斂、チロナーゼ活性阻害、抗菌・抗炎症作用などがあるとして、スキンケア製品の素材として利用されている。

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