漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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生薬名(は~ほ)

南天実

○南天実(なんてんじつ) 中国やインド、日本の南部に分布しているメギ科の常緑低木ナンテン(Nandina domestica)の果実を用いる。中国では南天竹子と呼ばれている。秋から冬にかけて果実が赤く熟し、よく低木などに植栽されている。果実は赤い色が一般的で…

南瓜子

○南瓜子(なんかし) 南メキシコから中米にかけてを原産とするウリ科のつる性一年草カボチャ(Cucurbita moschata)の種子を用いる。日本には16世紀、豊後の国に漂着したポルトガル船で伝えられたといわれ、カボチャの名は「カンボジアに生じたる」という…

○鉛(なまり) 鉛は重くて柔らかい金属で展性・延性に富み、ローマ時代には水道管や浴場、食器や壺として使用されていた。おもな原鉱石は方鉛鉱(PbS)であり、そのほか白鉛鉱(PbCO3)や硫酸鉛鉱(PbSO4)などもある。 生薬に用いる鉛には金属の黒鉛のほか…

夏皮

○夏皮(なつかわ) ミカン科の常緑低木ナツミカン(Citrus natsudaidai)の成熟した果実の果皮を用いる。未熟果実はダイダイなどとともに枳実、枳殻としても用いられる。ナツミカンは18世の初め、山口県長門市青梅島の海岸に漂着した果実の種子を蒔いたも…

豚脂

○豚脂(とんし) イノシシ科動物のブタ(Sus scrofa domestica)の脂肪を用いる。ブタは古くから家畜として飼育されていた動物で、薬用にもあらゆる臓器が利用されている。ブタの脂肪はラードともいわれ、食用や石鹸の原料のほか軟膏基剤としても重要である…

登呂根

○登呂根(とろこん) 日本各地、朝鮮半島、中国などに分布するナス科の多年草ホウズキ(Physalis alkekengi)の根を用いる。中国では根を酸漿根といい、全草を酸漿、がくを挂金灯という。日本では果実を登呂実という。 花の後ろにがくが肥大し、果実を包みこ…

土木香

○土木香(どもっこう) ヨーロッパ、北アジア原産で北米などでも野生化しているキク科の大型多年草オオグルマ(Inula helenium)の根を用いる。日本には江戸時代に薬用として渡来し、大和や信濃などで栽培されていたと伝えられている。 木香とはインド原産の…