漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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乾姜

○乾姜(かんきょう)

 熱帯アジア原産のショウガ科の多年草ショウガ(Zingiber officinale)の根茎を乾燥したものを用いる。ただし日本では生のショウガを乾燥しただけのものは生姜(別名:乾生姜)という。日本市場でいう乾姜とはヒネショウガの皮を剥ぎ、蒸した後に乾燥したものであり、全体が飴色の角質となっている。かつては生のショウガを湯通しして乾燥した三河生姜も流通していた。ちなみに日本の乾姜に相当するものを中国では用いていない。ここでは中国の干姜として説明する。

 生姜と乾姜を比較して成分にどのような変化がみられるかは明らかではないが、ジンゲオールが減少して、ショウガオールが増加するという報告がある。漢方的に説明すれば生姜は辛温で発散の作用が強く、感冒や嘔吐の常用薬であるのに対し、乾姜は熱性が強く、体内の冷えによる症状(裏寒証)の治療に用いる。

 乾姜の主な効能に温裏・補陽(回陽)・化痰などがある。これらの効能は熱性の強い附子と共通するが、古来より、「附子は走りて守らず、乾姜はよく走りてよく守る」といわれている。つまり乾姜の作用は、附子よりも持続すると説明されている。一方、附子と乾姜を配合すれば相乗的な効果があるため、「乾姜は附子がければ熱せず」ともいわれている。

 なお中国では乾姜を外皮がキツネ色になるまで強火で炒ったものを炮姜という。炮姜は辛烈の性質が緩和されているが、止瀉・温経・止血の効能があり、寒証の下痢や不正性器出血、下血などに用いられる。

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