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漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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薄荷

○薄荷(はっか)

 煮碗各地、朝鮮半島、東アジアに分布し、湿った河畔や原野に自生するシソ科の多年草ハッカ(Mentha arvensis)の全草を用いる。現在では北海道をはじめ、岡山・広島県などで栽培されている。ハッカの近縁植物としてヨーロッパ原産のセイヨウハッカ(M.piperita)や北米原産のモドリハッカ(M.viridis)がある。

 英語ではセイヨウハッカはペパーミント(peppermint)、ミドリハッカはスペアミント(Spearmint)、いわゆるハッカはジャパニーズ・ミント(Japanease Mint)として区別されている。

 ニホンハッカはメントールの含有量が最も高く、合成メントールができるまで日本産の天然メントールが世界中に輸出されていた。セイヨウハッカはメントールの含有量は少ないが、香気はニホンハッカよりはるかに優れている。ちなみにスペアミントにはメントールは含まれず、カルボンが含まれている。

 ハッカの地上部を水蒸気蒸留すると精油が得られる。これを冷却すれば結晶のl-メントール(薄荷脳)が析出する。このl-メントールを除いたものがハッカ油である。このl-メントールは皮膚につけると冷却作用、麻酔作用を示し、局所の血流を増加させるため、筋肉痛などの外用薬として湿布や軟膏の原料、マッサージオイルなどに利用されている。そのほかハッカ油も香料や清涼剤として歯磨き粉、ガムの香料など食品や化粧品に用いられる。

 精油成分の70~90%がメントールであるが、ほかにメントン、イソメントン、カンフェン、ピネン、リモネンなどが含まれ、精油には皮膚刺激、血管拡張、中枢抑制、鎮痙作用などがある。漢方では解表・李咽・透疹などの効能があり、風熱の感染症に対する代表的な辛涼解表薬である。

 たとえば感冒、頭痛、咽頭痛、歯痛、麻疹、皮膚掻痒症などに用いる。また肝に入って肝気の欝滞を解き、自律神経失調症を改善する作用もあり、たとえば更年期障害などには柴胡や芍薬などと配合する(加味逍遙散)。

 煎じる場合は、精油成分が蒸散しないよう煎じあがる3~4分前に後下する。薄荷能を粉末にしたものは口臭、口内炎に用いる。なおハッカの葉のみを薄荷葉ともいうが荷葉といえばハスの葉のことをいう。、

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