漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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白芍

○白芍(びゃくしゃく)

 中国北部原産のボタン科の多年草シャクヤク(Paeonia lactiflora)の根の外皮を除いたものを白芍といい、外皮をつけたままのものを赤芍という。日本漢方では赤芍を用いないため、芍薬といえばこの白芍のことをいう。

 白芍はおもに4年以上栽培したものを用い、洗浄した後にあら皮を削り取り、そのまま乾燥したものを生干芍薬という。そのままではなく沸騰した湯の中で少し煮てから柔らかくした後、日干し乾燥したものを真芍という。一般に日本では生干芍薬が「芍薬」として、中国では真尺が「白芍」として流通している。中国では安徽・四川・浙江省が白芍の品質が最もよいといわれる。シャクヤクは日本でも長野・奈良県、北海道などで栽培されている。

 成分にはモノテルペン配糖体のペオニフロリン、ペオノールなどが含まれ、ペオニフロリンには鎮痛、鎮痙、抗炎症、抗潰瘍、血管拡張、平滑筋弛緩などのさまざまな作用が認められている。漢方では補血・止痛の効能があり、血虚の治療や腹痛、筋肉痛などの治療に用いる。とくにストレス(肝気欝結)のために生じた腹痛に効果があり、これを柔肝止痛、あるいは柔肝緩急という。

 また斂陰作用といって発汗しすぎるのを抑制する作用もある。たとえば桂枝湯では桂枝の発汗作用を抑え、風邪の症状があってもすでに自汗のみられるときに適している。盗汗には牡蠣・五味子などと配合する。

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