漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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マンドラゴラ

○マンドラゴラ

 ヨーロッパの地中海沿岸に分布しているナス科の多年草マンドラゴラ(Mandragora officinarum)の根を用いる。英語ではマンドレイク(Mandrake)、別名をデビルズアップル(Devil's Apple)といい、旧約聖書には「恋なすび」とある。

 マンドラゴラは人参に似たヒト型の値を融資、古くから魔術的な力のある植物として有名である。土中から引き抜かれるときにうめき声をあげるとか、家の幹に根を吊るせば不妊の女性が妊娠するといったさまざまな伝説がある。犬に縄を結び付けて抜かせたという話も伝えられている。

 日本ではマンドラゴラとチョウセンアサガオ曼荼羅華とがしばしば混同されているが、そもそも曼荼羅華という名前はマンドラゴラの名から借用したという説もある。

 チョウセンアサガオベラドンナと同じナス科の有毒植物で、成分にヒヨスチアミン、アトロピンなどが含まれる。古くから鎮痛、催吐、幻覚、催眠、催淫薬として知られているが、今日ではほとんど薬用には用いない。