香料
○香料
一般に芳香があり生活に役立つ物質を香料という。時代や習慣などにより、その定義は明らかではない。香料のことを英語でパフュームというが、この語源は「薫ずる」という意味で、古くは宗教儀式の際に樹木を火で焚いたのが香料の起源と考えられている。
香料は火で焚くと芳香を発する焚香料、料理に用いられる香辛料、体につける化粧料などに区別されるが、その多くは生薬としても利用されている。焚香料では西方のアラビアにおける乳香(オリバナム)・没薬(ミルラ)、東方のインドや中国における沈香・白檀などが有名である。いずれも樹木や樹脂を利用したもので、これら芳香を有する樹木を香木と呼ぶこともある。薬用としても利用される香木には、このほか竜脳、蘇合香、安息香などがある。
近年、欧米においてアロマセラピー(香気療法)が注目されており、植物の葉や花から揮発性の精油を抽出し、吸入したり、浴湯料として利用したり、またマッサージ・オイルに加えて皮膚から浸透させたりする。一般に芳香には不安や抑鬱などの神経症状を改善し、前進の機能を調整する効果があるといわれている。このようなハーブとしてはカミツレ、カムラス(菖蒲)、クローブ(丁字)、白檀、ベルガモット、乳香、ラベンダー、レモンバーム、ローズ、ローレル(月桂樹)などが用いられている。そのほか動物性の香料としてはムスク(麝香)、シベット(霊猫香)、アンバー・グリース(竜涎香)などがある。