山羊血
○山羊血(さんようけつ)
中国東北部および内モンゴルの山中に生息するヤギに似たウシ科の動物ゴーラル山羊・青羊(Naemorhedus goral)の血を乾燥したものを用いる。ゴーラルは体長約1m、雄雌とも短いまっすぐな角を持ち、全体の色は灰褐色である。多くは高山の森林に棲み、山頂の岩場などでよく見かけられる。
ゴーラルの角は山羊角、肉は山羊肉、肝臓は山羊肝として薬用にされる。山羊血は捕獲した後、抜いた血を鉢に入れて日干ししたものである。乾燥血は塊状または片状で、濃く褐色で光沢がある。水の中に少量の血を入れて、碗の底から糸状に上昇し、拡散しないものが本物とされている。
漢方では活血・止血の効能があり、打撲傷や骨折、吐血や鼻血、狭心痛などの治療に用いる。一般に粉末にしたものを酒で服用する。ちなみに山羊角は小児のひきつけ、山羊肉は疲労や体力の低下、山羊肝は夜盲症の治療薬として知られる。