嗜好料
○嗜好料(しこうりょう)
一般に刺激や芳香、爽快感、催酔性を楽しむためのもので、とくに栄養価や薬用的な目的を持たずに習慣的に利用されるものを嗜好料という。本来は宗教的、儀礼的な目的や、薬用的な意味を持ったものが、いつの間にか嗜好品になったものがほとんどである。ガムや噛みタバコのような噛み料、タバコなどの嗅ぎ料がある。
現在、世界中で利用されている嗜好料にはアジア原産の茶、エチオピア原産のコーヒー、南アメリカ原産のタバコやカカオなどがある。また東アフリカ海岸部からインド、東南アジア、オセアニアにかけては檳椰子を石灰にまぶし、キンマの葉で包んで噛むという、ベテル・チューイングの習慣がある。そのほか南アメリカにはモチノキ科のマテの葉を乾燥したマテ茶、ムクロジ科の種子を砕いて練り固めたガラナを飲料として飲む風習、またコカの葉を噛む習慣がある。
中東のイエメンやソマリア、エチオピアなどでは、興奮作用のあるカーと(アラビアチャノキ)を集まって噛む風習がある。西アフリカにはアオギリ科の高木、コーラの実を噛み砕いて食べる習慣がある。またオセアニア地域にはコショウ科の低木、カバカバ(カワカワ)の根を乾燥させ、砕いて混ぜて搾り出したものを飲む習慣がある。