漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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草烏頭

○草烏頭(そううず)

 キンポウゲ科多年草トリカブト類の母根を烏頭といい、とくにカラトリカブト(Aconitum carmichaeli)やエゾトリカブト(A.kusnezoffii)などさまざまな野生種のトリカブト類の根を総称して草烏頭という。つまり四川省などで産する栽培品種の川烏頭と区別された呼称である。

 日本では佐渡島などに産する野生種のトリカブトを草烏頭と称して扱っている。また韓国産の草烏頭はミツバトリカブトである。川烏頭と草烏頭は明代以前には烏頭と総称されており、本草綱目ではじめて区別されたといわれる。またトリカブト類が栽培されるようになったのは、宋代以降と考えられている。

 一方、中国で一般に附子といえば減毒処理されたものをいうが、これに対して烏頭はほとんど減毒処理を受けていない。このため附子より烏頭のほうが毒性が強い。しかも川烏頭と草烏頭とを比較すれば、草烏頭のほうが毒性が強い。そのほか性味や効能は川烏頭とほぼ同じである。

 1804年、華岡青洲が乳癌の手術に用いた全身麻酔薬、通仙散の中には曼荼羅華・天南星などとともに草烏頭が配合されていた。