銅緑
○銅緑(どうりょく)
銅を湿った空気中に放置すると表面に緑色の銹ができる。この成分は塩基性炭酸銅(CuCO3・Cu(OH)2)である。また銅に酢酸の蒸気をかけるとやはり緑色の塩基性酢酸胴の銹ができる。これらの銹を銅緑という。
日本では一般に緑青と呼んでいる。また天然の塩基性炭酸銅を主成分とする緑色の鉱物に孔雀石(マラカイト:Malachite)があり、これを砕いて生薬としたものは緑青という。これらは古くから猛毒があると信じられていたが、国立衛生試験場の研究で、それほど毒性の強い物質ではないことが明らかにされた。
漢方では退翳・去腐・瘡の効能があり、角膜混濁や結膜炎、瘡、痔、歯槽膿漏などに用いる。ただれ目の挿入薬として鉛粉・艾と配合する(金竜散)。