漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

スポンサーリンク

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

薄荷

○薄荷(はっか) 煮碗各地、朝鮮半島、東アジアに分布し、湿った河畔や原野に自生するシソ科の多年草ハッカ(Mentha arvensis)の全草を用いる。現在では北海道をはじめ、岡山・広島県などで栽培されている。ハッカの近縁植物としてヨーロッパ原産のセイヨウ…

八月札

○八月札(はちがつさつ) 日本の各地、朝鮮半島、中国に分布するアケビ科の落葉つる性本木アケビ(Akebi quinata)の成熟果実を用いる。そのほかミツバアケビ(A.trifoliata)や白木通(A.trifoliate var.australis)などの果実も用いる。日本では裂開する…

巴豆

○巴豆(はず) 中国南部から東南アジア、インドに分布するトウダイグサ科の常緑亜高木、ハズ(Croton tiglium)の種子を用いる。種子の大きさは1.5cm弱で、灰褐色の扁平楕円形である。巴蜀(四川省)に産することから巴豆といわれる。 種子の35~60…

芭蕉

○芭蕉(ばしょう) 中国南部あるいは東南アジアを原産とするバショウ科の大型多年草バショウ(Musa basjoo)の葉を芭蕉葉、根を芭蕉根という。大きいために樹木と間違えられるが、茎(葉鞘)は木質化しない。日本でも観葉植物として暖地に広く栽培され、英語…

馬歯筧

○馬歯筧(ばしけん) 日本各地、世界各地の温帯から熱帯に分布するスベリヒユ科の一年草スベリヒユ(Portulaca oleracea)の全草を用いる。スベリヒユは畑や庭などで四方に這うように広がる多肉質の雑草である。かつて救荒植物として茹でて食用にすることも…

巴戟天

○巴戟天(はげきてん) 中国の広東・広西・福建省などに自生し、栽培されているアカネ科のつる性常緑木本ハゲキテン(morinda officinalis)の根を用いる。日本の屋久島や沖縄には同属植物のハナガサノキ(M.umbellata)があり、ハナガサノキの根も中国では…

麦門冬

○麦門冬(ばくもんどう) 日本、中国、朝鮮半島に分布するユリ科の多年草ジャノヒゲ(Ophiopogon japonicus)の根の膨大部を用いる。ジャノヒゲの形は線形で叢生し、叢垂れ下がるのでリュウノヒゲとも呼ばれ、常緑のため庭園や公園の下草などに栽培されてい…

白毛藤

○白毛藤(はくもうとう) 日本各地、朝鮮半島、中国、インドに分布するナス科の多年草ヒヨドリジョウゴ(Solanum lyratum)の全草を用いる。その赤く熟れた実を、ヒヨドリ(鵯)が好んで食べることから「鵯上戸」の名があるといわれている。 全草、果実に有…

白礬

○白礬(はくばん) 天然には火山岩中に産する明礬石(アルナイト:Alunite)を加工精製して出来た結晶を用いる。明礬石を採取した後に砕いて水に溶かし、その溶液を加熱濃縮し、次に冷やして結晶を取り出す。無色透明または不透明な不規則な結晶体で、ガラス…

白桃花

○白桃花(はくとうか) 中国西北部原産のバラ科の落葉低木ないし小高木、モモ(Prunus persica)の花あるいは蕾を用いる。モモの種子は桃仁、葉はモモ葉と称して薬用にされる。日本では半開きの花蕾を白桃花として、中国では開花した花を桃花として用いてい…

白頭翁

○白頭翁(はくとうおう) 中国各地から朝鮮半島にかけて分布するキンポウゲ科の多年草ヒロハオキナグサ(Pulsatilla chinensis)などオキナグサ属の植物の根茎を用いる。日本では本州以南に自生する同属のオキナグサ(P.cernua)を白頭翁として用いている。…

白癬皮

○白癬皮(はくせんぴ) 中国の北部および朝鮮半島に分布するミカン科の多年草ハクセン(Dictamnus dasycarpus)の根皮を用いる。日本でも観賞用として栽培されているが、全体に強烈な臭気がある。一説によると白癬皮の鮮は羊の臭気のことを指すともいわれて…

白石脂

○白石脂 中国各地に産する白色のケイ酸塩類の粘土状鉱物を用いる。光陵土(高嶺土:カオリン(Kaolinite))あるいは白陶土といわれ、磁器の原料でもある。神農本草経には五色石脂として青石脂、赤石脂、黄石脂、白色脂、黒石脂が記されているが、もっぱら赤…