漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

密蒙花

○密蒙花(みつもうか) 中国の中部や西南部に分布するフジウツギ科の落葉低木ワタフジウツギ(Buddle jaofficinalis)の花または蕾を乾燥したものを用いる。 同属植物のフジウツギ(B.japonica)は別名「毒流し草」、トウフジウツギ(B.lindleyana)の中国名…

密陀僧

○密陀僧(みつだそう) 鉛の溶解したところを鉄の棒でかき回し、鉄の棒に付着した鉛を冷水に浸してできる一酸化鉛(リサージ:Litharge)を密陀僧という。かつては方鉛鉱から銀や鉛を精錬する際に炉の底に沈着した副産物であった。 橙黄色の不規則な塊状で、…

○水(みず) 通常、生薬を煎じるときには水を用いる。現在、煎剤用には精製水、蒸留水、水道水などが用いられているが、かつてはさまざまな天然水を用いた。 天然水は硬水と軟水とに区別され、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオンを比較的多く…

万年青

○万年青(まんねんせい) 日本では関東地方以西、中国などに分布するユリ科の常緑多年草オモト(Rohdea japonica)の根及び根茎あるいは葉を用いる。根を万年青根、葉を万年青葉という。 葉が常に青いため万年青といい、株が太いのでオオモトと呼ばれ、後に…

マンドラゴラ

○マンドラゴラ ヨーロッパの地中海沿岸に分布しているナス科の多年草マンドラゴラ(Mandragora officinarum)の根を用いる。英語ではマンドレイク(Mandrake)、別名をデビルズアップル(Devil's Apple)といい、旧約聖書には「恋なすび」とある。 マンドラ…

曼荼羅華

○曼荼羅華(まんだらげ) 熱帯アジア原産で、中国南部に自生し、栽培されているナス科の一年草、チョウセンアサガオ(Datura metel)およびケチョウセンアサガオ(D.innoxia)の開花しはじめた花を用いる。日本には薬用として江戸時代に輸入され、キチガイナ…

蔓荊子

○蔓荊子(まんけいし) 本州以南、朝鮮半島、台湾、中国、東南アジアなど太平洋西部沿岸に分布するクマツヅラ科の落葉低木ハマゴウ(Vitex rotundifolia)の果実を用いる。 浜辺の砂地に群生し、幹が砂の上を這って横に延び、ところどころに根をおろす。茎葉…

松葉

○松葉(まつば) 日本の北海道南部から九州、朝鮮半島、中国の東北部に分布するマツ科の常緑針葉高木アカマツ(Pinus densiflora)の葉を用いる。中国ではタイワンアカマツ(P.massoniana)やユシュウ(P.tabulaeformis)などのマツの葉を松葉という。 日本…

麻薬

○麻薬(まやく) 麻薬とは陶酔感や多幸感などの効果があり、反復使用することで習慣性や依存性を生じ、慢性中毒を起こす薬物のことである。ただし、一般には麻薬とは法的に定められた用語であり、規制の対象となるアヘンアルカロイド系麻薬、コカアルカロイ…

茉莉花

○茉莉花(まつりか) アラビアからインドにかけてを原産とするモクセイ科の常緑低木マツリカ(Jasminumsambac)の花を用いる。熱帯性の植物で、フィリピンやインドネシアの国花としても知られている。 マツリカは香料植物のジャスミンとして古くから有名であ…

馬銭子

○馬銭子(まちんし) インド、東南アジアからオーストラリア北部に分布するマチン科の常緑高木マチン(Strychnosnux-vomica)の種子を用いる。種子は直径2cmくらいの扁平な円盤状で中央がくぼみ、その中心に突起がある。 マチン科の植物は世界各地の熱帯…

麻子仁

○麻子仁(ましじん) 中央アジア原産のクワ科の一年草、アサ(CAnnabissativa)の種子を用いる。中国では一般に火麻仁という。この種子は苧実とか麻実とも呼ばれ、薬味として七味唐辛子に入れられたり、小鳥の飼料、麻油の原料に用いられている。今日、アサ…

孫太郎虫

○孫太郎虫(まごたろうむし) 日本の各地に分布するヘビトンボ科のヘビトンボ(Protohermesgrandis)の幼虫を用いる。ヘビトンボは体長4cm、翅の長さは8~9cmで、翅は半透明で体は黄褐色のトンボに似ているが、眼が小さく顔がヘビに似ているのその名…

麻黄根

○麻黄根(まおうこん) マオウ科の常緑小低木マオウや木賊麻黄などの根および根茎を用いる。地上茎は麻黄である。魔王の根は木質で、掘りあげると根の表面は紅褐色をしている。 最近、麻黄根の成分としてエフェドラジンA~Dが発見され、血圧降下作用や止汗…