漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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ハーブ

○ハーブ

 ハーブとは、ラテン語の「草」に由来する言葉で、一般にはヨーロッパで料理や治療などに用いられている有用植物をいい、独特の芳香や香味があり、香草、薬草などとも訳されている。かつて東南アジアなどから輸入されていた香辛料をスパイスと呼ぶのに対し、ヨーロッパや地中海沿岸、西南アジアなどに生育する芳香のある草花のことを指していた。

 一般家庭でもハーブはスープや肉料理などの香味料や、ポプリや香粧料などの香料として用いられ、古くからハーブティーとして愛飲されてきた。医療に用いるハーブは、メディカルハーブといい、イギリスなどではハーブ医学協会(The National Institute of Medical Herbalist:1864年設立)などで、ハーブを扱う専門家、ハーバリスト(herbalist)を養成している。

 一方、10世紀頃から、植物の葉や葉から揮発性の精油を抽出する技術が開発され、香料として利用されてきたが、20世紀になって精油を治療に利用するアロマセラピー(芳香治療:Aromatherapy)も登場する。ヨーロッパでのハーブ療法は、中国医学との交流は少なく、独自に発展してきたが、原料となる植物には類似するものも少なくない。ここでは欧米でハーブとしてよく知られる植物に関して、その英名と関連する和漢薬名を以下に紹介する。

アンゼリカ:当帰

エルダー:接骨木

エレキャンペーン:土木香

ガーデニア:山梔子

カモミールカミツレ

カルダモン:小豆蔲

キャラウェイ:姫茴香

クローブ:丁字

ゲンチアナ:竜胆

コリアンダー:胡荽子

コリダリス:延胡索

コルツフット:款冬花

サフラワー:紅花

サフラン:番紅花

サルサパリラ:土茯苓

ジャスミン:茉莉花

シナモン:肉桂・桂枝・桂皮

ジュニパー:杜松実

ジンジャー:生姜

セージ:薬用サルビア

セントジョーンズワート:小連翹

タイム:麝香草

ターメリック:欝金

デイル:蒔羅子

ナツメグ:肉豆蔲

ハイドランジア:紫陽花

ベアベリー:コケモモ葉

ベイ:月桂樹

バーベイン:馬鞭草

バーベリー:目木

ペパーミント:薄荷

バレリアン:吉草根

フィグワート:玄参

フェヌグリーク:胡芦巴

フェンネル茴香

マザーワート:益母草

ヤロー:蓍草

ラズベリー:覆盆子

ラベンダー:ラベンダー

ルー:芸香

ローズマリー:迷迭香

ロベリア:半辺蓮

ローズヒップ:営実

ワレリアナ:吉草根・甘松