漢方生薬辞典

約780種の生薬を五十音順に紹介。日本の漢方薬や伝統薬に配合されている和漢生薬、民間薬、ハーブなども紹介。

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2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

菟絲子

○菟絲子(としし) 日本の各地、朝鮮半島、中国に分布するヒルガオ科のつる性一年草ネナシカズラ(Cuscuta japonica)の種子を用いる。そのほかハマネナシカズラ(C.chinensis)およびマメダオシ(C.australis)の種子も用いる。日本では中国産のハマネナシ…

吐根

○吐根(とこん) ブラジル南部を原産とし密林に自生するアカネ科の木本状の多年草トコン(Cephaelis ipecacuanha)の根を用いる。3年以上の株の値を乾燥させ、一定期間貯蔵したものを用いる。マレー半島やスリランカでも栽培されている。 成分のトコンアル…

杜衝

○杜衝(とこう) 中国の江蘇、省を産地とするウマノスズクサ科の多年草トコウ(Asarum forbesii)の根または全草を用いる。日本では近縁植物のカンアオイ(A.nipponicum)の根を杜衝あるいは土細辛という。トコウの根は近縁植物のウスバサイシン(生薬名:細…

土荊芥

○土荊芥(どけいがい) メキシコおよび西インド原産のアカザ科の一年草アリタソウ(Chenopodium ambrosioides)の花穂のついた全草を用いる。日本には天正年間に南蛮人によって伝えられ、ルウダソウの別名もある。アリタソウの名は佐賀県有田で栽培されてい…

土槿皮

○土槿皮(どきんぴ) 中国の浙江・安徽省などの高地に分布するマツ科の落葉高木イヌカラマツ(Pseudolarix amabills)の樹皮および根皮を用いる。カラマツに似た樹高40mに達する高木で、秋に鮮やかな黄色に染まるため金銭松とか金松の名がある。華東地方…

土瓜根

○土瓜根(どかこん) 日本、台湾、中国の各地に分布しているウリ科のつる性多年草カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)の根を用いる。 カラスウリは神農本草経では土瓜と呼ばれ、金匱要略に土瓜根という名で記載されているが、現在では一般に王瓜根と呼…

銅緑

○銅緑(どうりょく) 銅を湿った空気中に放置すると表面に緑色の銹ができる。この成分は塩基性炭酸銅(CuCO3・Cu(OH)2)である。また銅に酢酸の蒸気をかけるとやはり緑色の塩基性酢酸胴の銹ができる。これらの銹を銅緑という。 日本では一般に緑青と呼んでい…

藤梨根

○藤梨根(とうりこん) 日本各地、朝鮮半島、中国東北部に分布するマタタビ科の落葉つる性藤本サルナシ(Actinidia arguta)、シナサルナシ(A.chinensis)の根および根皮を用いる。シナサルナシはキウイの原種であり、中国ではキウイのことを獼猴桃という。…

桃葉

○桃葉(とうよう) 中国を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の葉を用いる。モモの種子は桃仁、花および蕾は白桃花と称して薬用にされる。モモは多くの果実をつけることから木に兆と書き、日本で…

動物胆

○動物胆(どうぶつたん) さまざまな動物の胆嚢および胆汁を薬用に用いる。魚類では鯉魚胆やヤツメウナギの胆、爬虫類ではヘビの蛇胆、鳥類ではニワトリの鶏胆、哺乳類ではクマの熊胆、ブタの猪胆、ウシの牛胆などが薬用にされている。 近年、熊胆の入手が困…

橙皮

○橙皮(とうひ) ヒマラヤ原産のミカン科の常緑低木ダイダイ(Citrus aurantium)やアマダイダイ(C.sinensis)の成熟した果実の果皮を用いる。ダイダイの未成熟果実は枳実・枳殻として用いる。 ダイダイは奈良時代に日本に伝来し、古くはカムスとも呼ばれて…

桃仁

○桃仁(とうにん) 中国北西部を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の核の中にある種子を用いる。花は白桃花、葉は桃葉と称して薬用にする。日本には古くから伝えられ、弥生時代の遺跡からモモの…

冬虫夏草

○冬虫夏草(とうちゅうかそう) 中国の四川・貴州・雲南省、チベット自治区などに産する蛾の幼虫に生えたキノコの一種を用いる。バッカクキン科のフユムシナツクサタケ(Cordyceps sinensis)と呼ばれる菌類で、とくにコウモリガ科の昆虫の幼虫に寄生する。 …

稲草

○稲草(とうそう) イネ科のイネ(Oryza sativa)の茎葉を用いる。コメはその粘性によって粳と糯に区別されるが、いずれの茎葉も稲草として用いる。一般にはもち米(糯米)を収穫した後の地上部を用いる。種子はうるち米を粳米、もち米を糯米といい、もち米…

刀豆

○刀豆(とうず) 熱帯アジア原産のマメ科のつる性多年草ナタマメ(Canavalia gladiata)の種子を用いる。ミャンマーや中国雲南省に自生し、インドや東南アジア、中国南部では栽培されて食用とされる。ナタマメや刀豆の名はさやの形が刀や鉈に似ていることに…

灯心草

○灯心草(とうしんそう) 日本全土、朝鮮、中国に分布し、水田の畦や湿地に自生するイグサ科の多年草イグサ(Juncus effusus)の茎および髄(灯心)を用いる。日本でもトウシンソウともいうが、古くからイあるいはイグサと呼ばれ、その茎は畳表や花むしろの…

党参

○党参(とうじん) 中国の山西・陝西・四川省などに産するキキョウ科のつる性多年草ヒカゲツルニンジン(Codonopsis pilosula)および同属植物の根を用いる。潞洲上党産の人参という意味である上党人参という名から党参と呼ばれていたが、清代になってウコギ…